2008年10月29日

味スタではなく、TVにて

10月26日(日) 夜、自宅にて

fctokyo08102603.jpgこの日は味スタに行けなかったので、TVで試合を観た。しかも録画観戦である。でも、燃えた。おそらくというか間違いなく、これは今季のベストゲームだと思う。なにより選手たちのハートがよかった。なんでも、トーチュウのウェブサイトによると、試合前、城福監督は選手たちに向けて、試合開始から60秒で「おのおのが最低1度、アグレッシブなプレーを見せろ」と指示したという。男前なかっこいいエピソードである。

試合はあたかも優勝決定戦のごとくであった。ブラウン管を眺めているうちに、もう結果はどちらでもいい、とさえ思えた。勝敗を超越したなにかがはたらいている。きっと、そのとき味スタには、よい試合に特有のあの密な空気が充満していたのだろう。こうした試合の場合、多くはセットプレーで勝敗が分かれたりスコアレスで幕を閉じたりしがちなのだが、この試合は違った。両チームあわせて5得点も入り、最後の最後までハラハラさせられてしまったのである。現地はさぞかし盛り上がっただろうなあ。ちょっと残念なところもあるにはあるのだけれども、しかしサッカーは続く。今回に限らず、これからもこうした興奮を味わえるよいスタジアムになってくれればと思う。

今節終了時点で首位とは勝ち点差5。難しいが、可能性はゼロではない。


posted by Ken-U at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー(国内) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月27日

運動会

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10月26日(日) 曇りときどき小雨

この日は子供の運動会。といっても、私には子供がないので、正確にいうと「友人の息子が通う幼稚園の運動会」。もともと招待されてはいたのだけれど、当日は鹿島戦もあり、あるんだよなあ、なんて思っていたら急きょ父親が出張になったので、決意。だから日曜のわりには早起きをした。

自分用のランチを作ったり買ったりしているうちに少し遅刻。会場までは徒歩ではなくバスで移動した。で、公園に着いたらすぐさまお母さんからビデオカメラを受けとり、動画デビュー。それから数時間、カメラをまわしながら、かけっこや障害物競走や対抗リレーにまで出場した。いざとなると、かけっこなどは本気になってしまい、それ用のスニーカーではないことを後悔した。でも、ビデオ撮影は予想以上に面白かった。ただ、私には編集権がないため、未編集でもそれなりに流れるようショットの繋ぎを考えなければならなかったのだけれども、そうはいっても初体験、それに運動会の流れも頭に入っておらず、さらには子供たちが好き勝手な行動ばかりとるため、残念ながら納得のいく映像作家デビューとはならなかった。父親が帰国したら、記録の出来を確認させていただこう。

多くの男たちがこの手の運動会でビデオデビューを果たすのだろう。そうした父親の周辺業務を肩代わりしてみて、人生のよい記念になった。
posted by Ken-U at 23:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 日常のひとコマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「この自由な世界で」 自由世界による拘束

ケン・ローチ監督 『この自由な世界で』 (シネ・アミューズ)

原題 『IT'S A FREE WORLD...』

人材派遣会社を解雇された女は、生き延びるために自ら派遣業を起こす。貧困に苦しむ移民たちを安価な労働力として企業に斡旋するのだ。

its_a_free_world.jpg当初、彼女は望むとおりにカネを得る。いろいろあったけれど、それまでの苦労が報われたのだ。貧しい移民たちは職を探しており、企業(工場)は安価な労働力を求めている。彼女はその橋渡しをしているのだ。善行である。その架け橋は虹色に輝いてみえる。彼女は、殖えていく手元の札束を眺めながら、これで周囲の誰もが幸せになる、と考えたかもしれない。しかし現実は厳しかった。たしかに、手元のカネは殖え続けているのだが、その一方で、まわりの人々とは軋轢が生じる。彼女は孤立する。

父親や友人とのやりとりなど、少し説教臭く感じられる演出もあったけれど、人間を不幸にするこの世の仕組みが日常の中に細かく描きこまれていて、よい作品だと思える。彼女は決して悪人ではないのだけれども、しかしこの冷酷な世界を生き抜くために、奪われる側ではなく奪いとる側に身を置こうとあがく。だからその立ち振る舞いがあたかも悪人のようにみえてしまうのだ。彼女はこの世界の自由に拘束され、身動きがとれずにいる。泥沼である。
posted by Ken-U at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(その他の国) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月19日

「地獄の季節」 言葉との決別、砂漠へ。

ランボオ著 『地獄の季節』 (岩波文庫)

詩人の、文学へ向けた絶縁状。

une_saizon_en_enfer.jpg先日読んだ『チベットのモーツアルト』(過去記事)の最後にランボーに関する文章があり、その内容に触発されてこの本を手にした。

中沢さんの文章のどこに刺激されたのか、残念ながらその内容を細かく思い出すことはできないのだけれど、詩を棄て、砂漠へと向かい、その不毛なる世界(砂漠は資本主義的ユートピアのメタファーであると中沢氏はいう)の只中で商いを続けたランボーの生き様には惹きつけられる。おそらく、僕が住むこの世界からみて、詩の彼方に広がる砂漠の世界は果てしなく遠い。けれど、ランボーが目指した砂の世界は、時空を超え巡り巡って、この世界のどこかしらと繋がり合っているような気がする。実際、文学との決別宣言であるというこの『地獄の季節』を読み進めていても、彼の綴る言葉と、僕の日々の想いが不思議と繋がり合うような気がしてならないのだ。

『だが、こんな馬鹿げた商売をして、蛮人や白痴とばかり附合っていると、日に日に老け込んでいくような気がします。(中略)だから、ここで食える以上、僕はここにいるべきだ、ここにいるべきではないか、静かに暮らせるだけのものが手に入らぬ限りは。ところで、暮らせるだけのものは、決して手に入るまい、僕は静かに生きも死にもしまい、これほど確かなことはありますまい。要するに、回教徒が言う「世の定め」だ。これが人生です。人生は茶番ではない』(p.145-146/訳者後記より、ランボオ書簡からの引用部分)

砂漠の商人であり続けることは、それほど詩的なことではないと思う。ランボーはここで完全に詩を捨て去り、無味乾燥な暮らしの中でただ絶望の日々を送ったのではないだろうか。
posted by Ken-U at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月12日

「ITAKO」 溶解する境界線

高木正勝展 『イタコ』 (山本現代)

『Lava』(2008)と『Tidal』(2007)の上映

takagi_masakatsu_lava.jpg

溶解する境界線。『Tidal』では生死の境界をさまよう少女の虚ろな瞳が、一方の『Lava』では、わたしの輪郭が溶けて液状と化す様子が観る者に強い印象を与える。少女の髪はゆったりとなびいている。眺めているうちに、意識がそのままあの世へと連れ去られそうになる。

高木正勝が生み出す映像の魅力はやっぱりそこにあると思う。あの世とこの世の境界が、あるいはこの「わたし」をかたちづくる輪郭が溶け、すべてが渾然一体となる。そのとき、わたしはわたし自身を破壊しようとする暴力を無防備に受け入れ、その刹那に全身をつらぬく悦びに身をゆだねるのだ。

暗闇の中、前方のスクリーンに一作ずつ交互に上映される。一作は三回ほど繰り返され、作品が入れ替わって、また数回反復される。それぞれは三分にも満たない小さな作品であるのだけれど、スクリーンが三面横に並べられていたり、それぞれの作品が反復されることも手伝って、作品世界に没入して濃密な時間を過ごすことができる。闇の中で仮死状態に陥る。
posted by Ken-U at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映像・音楽(高木正勝) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月11日

欧州蹴球観戦録 08-09 序盤

欧州サッカーはもうとっくに始まっている。今季もそれなりにTVで観戦しているのだが、記録がまったく追いついてない。以下に、これまでの観戦録を記す。


UEFA CHAMPIONS LEAGUE グループリーグ 第2節

ビジャレアル vs セルティック

出勤前に前半途中まで。ビジャレアルが格の違いをみせつけていた。

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アーセナル vs ポルト

アーセナルが圧倒的な強さをみせた。いまのところ、フレブ、フラミニ不在の影響がまったくみえない。流動性に富む、しなやかで強いサッカーができている。ヴェンゲル、恐るべし。

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ゼニト vs レアル・マドリー

ゼニトは健闘した。攻撃に入るとチームが活き活きと躍動する。しかし運がなかった。というか、マドリーがしぶとい。ファン・ニステルロイとか。

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インテル vs ブレーメン

さすがブレーメン。あの脇の甘さ、その弱点を補う獰猛さは健在である。素直に面白かった。終盤はげらげらしながら観た。しかしモウリーニョは大丈夫か?

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シャフタール vs バルセロナ

前評判を裏切り、シャフタールがバルサを圧倒してみせた。が、最後の最後に悲劇。バルセロナは勝ちはしたのだけれど、勝ち方が悪すぎる。遺恨を残す試合。引き分けが妥当なところ。

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リーガ・エスパニョーラ

第6節

バルセロナ vs アトレティコ・マドリー

バルサ圧勝。いったいなにがあったのだろう、と思ってしまうほど、彼らはアグレッシヴな姿勢をみせた。まあ、途中で試合が壊れた感はあったのだけれど。

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ビジャレアル vs ベティス

ビジャレアルが強い。CL明けでどうなるかと思ったのだが、出来が悪いながらもしぶとさをみせた。ぐだぐだしたあと、同点、逆転するまでの波状攻撃に興奮。もう、これでもかとパスが回る。相手を翻弄する。当分、彼らから目が離せない。

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バジャドリード vs ヴァレンシア

今季のヴァレンシアには期待していなかったのだけれど、いい意味で裏切られた。重い試合展開だったのだけれども、マヌエル・フェルナンデスがずどんと決めた。堅実な試合運び。あの頃のヴァレンシアが復活しつつある。

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第5節

エスパニョール vs バルセロナ

シャフタール戦同様、微妙な判定に救われた勝利。それにしても、メッシはすごい。

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第4節

バルセロナ vs ベティス

追いつかれ、ああこれでドローか、と思っていたところにグジョンセンのスーパーゴール。バルサのしぶとさはこの試合から始まったのかもしれない。グジョンセンはこれまでの苦労が報われている。腐ることなく、こつこついくのがよい。

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第3節

スポルティング・ヒホン vs バルセロナ

バルサの圧勝。スポルティング・ヒホンがかわいそうだった。

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第2節

バルセロナ vs ラシンサンタンデール

まだチームとしてのまとまりがみえない。フレブの怪我が心配。早い復帰を祈る。

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第1節

ヌマンシア vs バルセロナ

バルサはもたついてしまった。一方、ヌマンシアは自分たちのサッカーができていた。これでバルサは早くも窮地に。

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イングランド・プレミアリーグ

第4節

マンチェスター・シティ vs チェルシー

たしか、観たのは後半途中まで。この試合のチェルシーは強かった。昨シーズンまでの堅い守備はそのまま。で、そこに柔軟さが加わっている。この柔軟性を支えるのはデコ。彼はチェルシーに大きな変化をもたらした。

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ブラックバーン vs アーセナル

アーセナルの圧勝。フレブ、フラミニという中盤の主軸がいなくなっても、アーセナルは自分たちのサッカーができている。

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第3節

アーセナル vs ニューカッスル

たしか、この試合も観た。アーセナルはアーセナルらしく勝った。今季のファン・ペルシは期待ができる。怪我することなく活躍してほしい。

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第2節

ウィガン vs チェルシー

デコが挨拶代わりの一発。途中までの観戦。

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第1節

アーセナル vs WBA

新加入のナスリが挨拶代わりの一発。しかし、そのあとが続かない。でもまあ、序盤はこんな感じでちょうどいいのかもしれない。新生アーセナルはあいかわらずよいサッカーをしていると思う。

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チェルシー vs ポーツマス

新しいチェルシーの姿をみた。これが恐ろしく強い。チェルシーがラテンのリズムを奏でるだなんて、複雑な気分。

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年々、TV観戦に対する集中力が衰えている。ここのところ、料理をつくったり食べたりしながら観ることが多いせいなのだけれど、でもやっぱり、サッカーはスタジアムで観るものだなあと思う。
posted by Ken-U at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー(欧州) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月05日

「Tokyo!」 破滅都市、東京

オムニバス映画 『Tokyo!』 (シネマライズ渋谷)

それぞれの東京。

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ミシェル・ゴンドリー監督 『インテリア・デザイン』

台詞まわしに違和感があり、なかなか作品世界に入ることができなかった。外国人監督が日本語で撮るからこうなるのかもしれない、などと思いながらスクリーンを眺めた。若くて貧しい日本の男女がぺらぺらと言葉を交わしている。男の子は自分のナイーヴさをあからさまに振り撒く。

とはいえ、よい作品だと思う。時間が進むにつれて話が面白くなっていった。あくまでも女の子が主役である点がよかった。彼女にとってあの結末は悲劇的だといえるのだけれど、彼女自身はその不条理な運命を自然に受け留め、むしろそこに充実を感じている。その様子の滑稽さが、彼女に降りかかった運命の哀しみに深みを与えていると思う。

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レオス・カラックス監督 『メルド』

tokyo_merde.jpg「MERDE」とは、日本語で言うところの「糞」にあたる。その「MERDE」、つまり「糞」と名づけられた異形の男は、地底、つまりどぶの世界に棲み、不意にこの世に現れては悪行の限りを尽くす。彼は、みさかいなく人を襲う。そして無差別に殺す。糞まみれ、どぶさらいの日々を過ごす私にとって(過去記事)、メルドは分身だと感じた。彼はこの私自身なのである。あるいは、メルドが告発するように、彼はひょっとすると私の息子なのかもしれない。その告発によると、メルドは、我々の強姦行為の果てに産み落とされたというのだ。身に憶えはないのだが、強姦の自覚がなくとも日々強姦を繰り返している自覚が私にはある。私も自覚無き強姦者の一人なのだ。

メルドに対する人々の反応に日本社会の今を見た。メルドを嫌悪し、彼をこの世から消し去ろうとする大多数の人々にまぎれて、彼を擁護したり、過大に崇めたり、あるいは彼にあやかって金儲けをしようとしたり、メルドに翻弄され、過剰に反応し右往左往する人々の在り様ひとつひとつに妙なリアリティーが感じられ、この世はまさに「MERDE」であると痛感。糞食らえ。

*****

ポン・ジュノ監督 『シェイキング東京』

この社会が引きこもり的であることは日々痛感するところであるのだが、本作では、その引きこもり体質を凝縮したような男が主人公で、彼が女と出会い、部屋を出るまでの話が描かれている。そして、地震がくる。

精神の歪みと、地底の怒り。破壊、破滅。という点は『メルド』と通じるところがあるように思われる。外から眺めると、東京は破滅的というか自滅的というか、先行き暗い都市にみえるのかもしれない。実際、中に身を置いていてもそれを感じる。

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過大な期待はしないようにしていたのだけれど、小粒ながらどれもよい作品に仕上がっていて、予想より面白く観ることができた。よい意味で裏切られてよかった。とくに『メルド』には影響された。街を歩いていると、不意にあの歩き方、喋り方を真似したくなる。彼は現代のゴジラだと思う。
posted by Ken-U at 19:59| Comment(2) | TrackBack(2) | 映画(その他の国) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月04日

二日休める週末の初日に味スタ

fctokyo08100401.jpg

10月4日(土) 秋晴れ

今週末は久しぶりに二連休。で、味スタへと向かった。

まず、スタメンがよくなかった。欠場の羽生に代えて梶山を上げ(?)、右に石川を入れてエメルソンがベンチ、という前線の構成には疑問が残る。バランス重視、ということなのかもしれないけれど、結局、梶山は羽生の代役を担わず、いつものように中盤の下がり目の位置から東京の攻撃を傍観した。そのため、かえってチームのバランスが崩れてしまい、東京のサッカーから流動性が失われたのだと思う。前の三枚だけで崩せるほど清水の守備は甘くないのだ。縦に動けるMFが必要だと感じた。だからなのか、浅利が梶山を追い越して上がる場面もあったのだけれども、それでは不十分で、悲惨な状況のまま前半を終える。

しかし後半、エメ、大竹が投入されたところから流れががらりとかわる。で、おおこれはひょっとするとひょっとするのかもしれないなあ、なんて甘いことを考えわいわいしていたら平山が出てきて、消沈。なぜ、リードされていてあと2点以上とらなければならない状況で平山なのだろう?ここではせめて鈴木達也を入れて欲しかった。で、戸田のゴールというおまけがついて試合終了。戸田に拍手。

とはいえ、リーグ戦は続く。2週間後にはアウェイで大分、その翌週は鹿島がやってくるのだ。上位との対決。山場である。この難関をどうにか乗り越え、リーグ終盤まで優勝争いにとどまっていて欲しい。もうしばらく盛り上がっていたい。
posted by Ken-U at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー(国内) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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