2008年11月15日

「耳そぎ饅頭」 偏屈の彼方

町田康著 『耳そぎ饅頭』 (講談社文庫)

わたしをがんじがらめにするこの偏屈の彼方には何があるのか。そこに未来はあるのだろうか。

mimisogi01.jpg偏屈な男が、だからうだつのあがらんパンク歌手なんぞに成りさがってしまうのだ、とおのれの不遇を呪い、その閉塞から抜け出すべく七転八倒する。それまで遠ざけてきた、カラオケ、競馬、ミュージカル鑑賞、クラブ遊び、温泉、グルメ、さらにはディズニーランドにまで足を運び、浮き世の娯楽にまみれながら、泣き、笑う。その無様がなんとも滑稽に綴られていて、笑えた。

今秋、旅の間に読み進めた。異国の地で、様々な人に会い、あたふたと忙しくしながら、喜んだり、感謝したり、いらついたり、悲哀を感じたりといろいろなことがあり、人生、いろいろなことがあるもんだなあ、などとあたりまえのことを思った。僕の人生も手探りの連続で、七転八倒。傍目にはさぞかし滑稽にみえることだろう。みたいなことを、他人の無様を笑いながらしみじみと思い、ぼんやりと空を眺めた。


posted by Ken-U at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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