2009年06月14日

「言語にとって美とはなにか1」 編み物としての言語、その価値、美

吉本隆明著 『定本 言語にとって美とはなにか1』 (角川ソフィア文庫)

言語は自己表出と指示表出で編まれた織物であると考えられる。

gengo01.jpg言語の自己表出性は、言葉の流れを生み出すためにつかわれる品詞、例えば助詞や感嘆詞の中に強く含まれている。また、この表出は言葉が生み出す価値と深い関わりを持つ。というか、吉本氏がいうように、はじめて海岸に迷い出た狩猟人が眼前に広がる青い海原をみて思わず「う」と呟いたのが「海(うみ)」という言葉の始まりであるとしたら、つまり自己表出が言語の発生そのものに深く関わっていたとするならば、この自己表出という言語要素は品詞を問わず言葉のあらゆる部分に含まれていると考えられ、言葉の並び、流れ、捩れ、うねりなどにより生みだされる言語の価値(美)に大きな影響を与えていると考えられるだろう。

年初、ETV特集の「吉本隆明 語る」を録画予約し損じ、あわててTVを点けたらちょうど吉本氏が自己表出と指示表出の話をしているところだった。その語りが印象的で、それに前半部分の話を聞き逃した悔しさもあって、その後、いろいろ探っているうちに本書にたどり着いた。が、自分には少し難しかった。そもそも、文学の素養が足りないのだ。でも、なんとなく感覚的につかめる部分もあり、たまには背伸びをして読書するのも悪くはないと自分に言い聞かせながら長い時間をかけてゆっくりと読み進めた。先日、横光利一を読んだのはそのETV特集の影響で、近いうちに彼の『機械』も読みたいと考えている。あと、久しぶりに太宰治も読みたいと思った。


posted by Ken-U at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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