2009年10月09日

帰国 #2

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昨日、また帰国した。

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10月1日(木) 晴れ?

未明に起きてCLをライヴで観ながら仕度にとりかかる。で、地下鉄、バスと乗り継ぎ空港へ。チェックインをすませ、ちょっとだけラウンジに立ち寄って搭乗しようとすると、ビジネスにアップグレードしますとのささやきをうける。まんざらでもない。が、気分はやや抑鬱的な感じ。

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到着。荷受け。タクシーにてホテルまで。途中、またもや渋滞に巻き込まれる。

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ホテルにチェックイン。ここはほぼ常宿化しているプチホテルである。が、部屋が最悪。で、フロントの女性に交渉したら運よく最上階へ案内された。さっそく部屋を移り、窓を開けて空を眺める。欧州ではいろいろと交渉事が多い。とくに日本人は主張がないからという思惑もあるのだろう、このようなケースがままある。でも結果オーライ。軽く荷解きをしたあと、鼻歌を歌いだしそうな勢いで外に出て、オペラ付近を歩いた。途中、日本企業が営む某店がこの日オープンを果たしていて、その盛況ぶりに驚く。で、百貨店を軽く覗いたあと、親子丼とビール。そして入浴。うだうだの後、就寝。

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10月2日(金) 晴れ

朝、現場に向かう。すると、初対面の現地スタッフと対面。挨拶を交わし、まずこちらから名乗り、握手をする。さらに名刺を渡す。が、彼女はついに名乗らず...その後、本国社長とマダムが合流。挨拶を交わす。笑顔。終日業務。で、夕刻にシャンパンが一杯ずつ振る舞われる。終了前、彼女が先に帰るが、オーナー夫妻と挨拶を交わし、こちらには一瞥もせずそのまま行ってしまう。その後、入場手続きをしてくれた女性が近くを通りかかったのけれど、すれ違うときに微笑みかけてくれたにもかかわらず、その直前に視線を逸らした自分がいた。彼女はヘザー・グラハムを少し小柄にしたような風貌で、からから明るく笑い、身振りがやや大きく、弾むように歩く素敵な女性なのであった。がっかり。

退場前、例のフリーランスも合流し、ディナーへ。フリーランス、新しいアシスタントという女性と同行していたのだけれど、なんとなく、彼女とはなにもなさそう。で、ディナー、手違いもありメインで生肉(タルタル)食べるはめに。でも、おいしくたべることができた。

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10月3日(土) 晴れ

朝、まず彼女と挨拶を交わし、彼女の靴を褒める。終日業務。といっても、それほど忙しくもなく。夕刻にシャンパン。その後、彼女と「チャオ」の交換。時を同じくしてヘザー・グラハムも通りかかるが、素通り。

夜、前日のタルタルがもたれたこともあり、ラーメンと半チャーハンですます。麺が酷い。当初は、昨晩とは別の日本料理店、たとえばうどん屋で軽く食事をとろうと思ったのだけれど、長い行列に辟易し、で、妥協して歩き回った挙句に昨日と同じ料理店に舞い戻ってしまったのだ。ちなみに、この界隈に点在する日本料理店の客の半数以上は日本人ではなく、現地に住む人たちなので、時代も変わったなあなんて思う。

部屋に戻ったのち、体調を崩す。21時すぎから腹を壊す。私の内部のすべてが決壊した。で、断続的な発作に見舞われ、朝まで、ろくに眠れず。

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10月4日(日) 曇り時々晴れ

朝、なにも食べずに出勤。およそ12時間かけて排泄し尽くしたので、たぶん、胃腸にはなにも残ってない。でも、意地で立ち仕事をこなした。昼も、食べにいく振りだけして抜く。胃腸を休ませつつ、復調を図りつつ。誰にも気づかれないように。

午後、美女が訪れ、なにやら現地語でまくしたてる。英語でお願いします、と我々。で、説明を聞くと、仕事を探しているという。卒業後、見習いとして雇われ経験を積んできたけれど、正規にキャリアをスタートさせたいので求職しているというのだ。ひと通り話し終えた彼女はマダムにレジュメを渡し、丁寧に挨拶をして我々の場所を去っていった。僕は、よき時代の女優のような容姿の女性と握手ができたことがただ嬉しく、こちらで彼女と一緒に働く状況などを夢想。この様子を離れたところから眺めていた社長も、ベッラ、ベッラ、アンディアーモなど、まんざらでもない様子で、マダムはこの阿呆な男たちに呆れて笑っていた。展示会場にて求職活動。なかなかたいへんだと思うけれど、彼女であればすぐに仕事がみつかると予想。その後、業務を継続し、夕刻のシャンパンにて体調をみる。早くも復活の兆し。

夜、懲りずにラーメンと餃子。ほんとうはうどん、あるいは中国粥を食べたかったのだけれど、そこも長蛇の列、または店休で諦めざるをえなかった。もちろん、用心のために昨晩とは別の料理店で食べる。しかし麺が酷い。

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その後、路地を歩き、口直しにバール。ここが大当たりだった。路地裏で、こざっぱりしていて、バーカウンターにはやや薄めのジョージ・クルーニーがおり、そして常連客と思われる女性とほどよい距離で言葉を交わしていて、で、その声がまたよいのだ。英語も話せるし、BGMのジャズも、たとえばジャイルス・ピータースンの仏版みたいでとてもよかった。ちょっと亜流で、しかしムードがあり、店と路地に馴染みつつ独特の空気を醸し出している。で、タイムサービスのモヒート(これがまた少し亜流で、少し赤ワインが入っていたのだろうか、ぎゅっとしててたいへんにうまかった!)を呑み、町田康を読み、ゆらゆらして、そしてホテルへ。軽い食事もとれるようなので、次回、機会があったらここで夕食をとりたい。

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10月5日(月) 雨のち曇り。

朝一で別の展示会場をまわる。で、幾人かの知人、友人、取引先に会って言葉を交わす。昔、取引していた先の男は今や経営者で、彼に生後四ヶ月になる長男の画像を見せつけられ、予想外に時が過ぎる。親馬鹿に国境はないのだ。次回はディナーでも、とかまた言われて。画像、みてよかった。

昼前、職場に戻り、その後、業務。この日は最終日。なので、皆で後片付け。また彼女が少し先に帰るのだけれど、そのとき、「Ciao, Ken」と初めて名前を呼ばれる。あとでメール送るから、みたいな言葉も掛けてもらえた。ここまで四日かかった。その少しあと、例のヘザー・グラハムが通りかかり、微笑を交わす。

夜、この日は通りすがりのビストロに。外観が渋く、かつメニューにそそられてしまったのだ。が、案内されるまま店内奥に進むと中はガラガラ。自分以外は客が一組のみ。嫌な予感が脳裏によぎる。で、その後はすべてを現地語で進め、いろいろあり、食後にあっさり会計をたのむと、いろいろあって申し訳なかったのでデザートかドリンクをサービスします、みたいなことを現地語でたぶん言われたのだろう、で、「un cafe」と応えた。こんな異国人にも馬鹿丁寧で、生きていくのはいろいろたいへんなのだということを、ふと思い返した。

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10月6日(火) 雨のち曇り

この日はフリー。だが、またもやこの日が火曜であることに気づき、落胆。美術館、やってないじゃないか。念のためルーブルに向かうが案の定休みで、途方にくれる。で、思い直し、ぶらぶら歩きながら、小売店をリサーチしたりしつつ、昼、毎度立ち寄る界隈にてランチ。と、そこに友人とそのアシスタントが!で、合流して共に食事をとる。世間って狭いなあとつくづく思う。

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食後、ひとりでショップを巡る。かなり歩き回る。地下鉄もつかう。で、夕刻、買い物をしたらスイッチが入り、二時間あまりでいろいろ買い込む。

夜は例のビストロへ。ここは一人飯には完璧な店だと思う。高いのでそうしょっちゅうは行けないけれど、まず食事がうまい。ワインがうまい。で、ビオ系である。客層もよく、店の前方にはまるいバーカウンターがあるのだけれど、そこで飾らぬ常連客がああだこうだいいながらグラスで様々なワインを試している。まさに仏版『サイドウェイ』の世界。いつの日か、あのカウンターで彼らと一緒に呑めるようになりたい。

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10月7日(水) 曇り

起床後、荷造り。朝食。チェックアウト。その後、タクシーにて空港へ。途中、渋滞やらなにやら。

カウンターにてチェックイン。なにかと時間がかかる。その後、ラウンジでシャンパン。日本語に飢えているのだろうか、そこで新聞を二部抜く。で、搭乗。

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10月8日(木) 台風(?)のち晴れ

最後の一時間、機体がよく揺れた。荷受け、通関後、茶漬けを食べ、バス、地下鉄を乗り継ぎ我が部屋へ。洗濯。その他もろもろ。

出張に出るときはやや抑鬱的になったりするのだけれど、いざ向こうに行くと、いつの間にかすっかり気持ちが切り替わって、のびのびしている。あちらは人間関係がシンプルでよい。挨拶も普通にあるし、知らぬ同士でも笑顔で言葉を交わすことができる。通りすがりの客と微笑みあうこともしばしば。で、知らぬうちに自分の表情が和らいでいる。帰国を忘れそうになる。

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帰宅後、近くでゴーヤー・チャンプル定食。夜は自宅でパスタ。明日は、代休をとって会社を休むことにした。

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読了本: 『権現の踊り子』

機内の映画: 『Whatever Works』、『My Sister's Keeper』

英語か聞き取れないと、ウディ・アレンはつらい。地味な作品だったけれど、日本公開は大丈夫だろうか。


posted by Ken-U at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常のひとコマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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