2009年12月31日

「Mi Mix」

HIROSHI WATANABE / 『Mi Mix』 (OCTAVE-LAB)

mi_mix_hiroshi_watanabe.jpgトータル78分に及ぶMixCD。

からりとしたアッパーなハウスではなく、かといってずぶずぶとしたダウナーでもない。もっと中間的な、霞というか、深い霧のかかった世界をゆらゆら浮遊する感じといえばいいのか、内側に潜る要素と外側に開かれていく要素が絶妙に混ぜあわされたサウンドだと思う。

聴いていると心が鎮められるけれど、ところどころでぐぐっと引き上げられるところもあり、それが心地よいマッサージ効果を生んでいる。夕暮れから夜、聴くことが多い。


posted by Ken-U at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「きりぎりす」 肥大化する自我の迷路、醜きもの、美しきもの

太宰治著 『きりぎりす』 (新潮文庫)

太宰、中期の短編集。表題作を含む十四篇。

kirigirisu.jpg先日読んだ『富嶽百景・走れメロス』(過去記事)とほぼ同時期の作品群が収められている。が、こちらの方が作品の幅が広い。たとえば、「風の便り」、「水仙」のような、肥大化する自我の迷路を巡るばかりの、ある意味で太宰らしい自虐的な描写の目立つ作品もあって、いまの自分には、どちらかというと『富嶽百景…』の方がしっくりくる。十代の頃は、たしか初期や末期の作品を好んで読んでいたように記憶しているのだけれど、加齢のせいか、好みが少し変わったようだ。

本書の中でとくに好きだったのは、「皮膚と心」。この作品も「女学生」のように、女性の口を借りながら太宰の芸術観が語られている。

だって、女には、一日一日が全部ですもの。男とちがう。死後も考えない。思索も、無い。一刻一刻の、美しさの完成だけを願って居ります。生活を、生活の感触を、溺愛いたします。女が、お茶碗や、きれいな柄の着物を愛するのは、それだけが、ほんとうの生き甲斐だからでございます。刻々の動きが、それがそのまま生きていることの目的なのです。他に、何が要りましょう。(p.115-116)

醜さと美しさの狭間で揺れ動き、七転八倒する。醜さとは、美しさとは。答えの出ぬ問いにまみれ、その渦の中でもがきながら溺死したのが太宰治という芸術家なのかもしれない。
posted by Ken-U at 17:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ドリーム・オブ・ライフ」 死の闇を乗り越え、歌う

スティーヴン・セブリング監督 『パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ』 (シアターN渋谷)

原題:『PATTI SMITH: DREAM OF LIFE』

patti_smith_dream_of_life.jpg断片化した過去の記憶が、かけらのまま繋ぎ合わされ、ひとつの映画となる。モノクロームの映像と、即興でのせたというナレーション、流れる音楽、叫び。ひたりながら、パティ・スミスの11年間に思いを馳せ、そして、これまで出会った人たち、もうこの世にいない人たちとの思い出などが脳裏を巡った。

10代の頃、ニューヨーク・パンクを追体験しているときに、パティー・スミスの歌に出会った。霊媒師の如き声、音楽を超えんとする歌。彼女の作品には近づきがたい凄みがあり、アルバムをターンテーブルにのせ、そこに針を落とすにも心構えが必要だった。そういえば、昔は、音楽を聴くことは今よりもずっと儀式的であった気がする。

過去の存在であったパティ・スミスにも、現在がある。というあたりまえのことを、この『ドリーム・オブ・ライフ』を通じて感じた。大切な人たちの死。そうした負の経験をきっかけに音楽界に復帰し、ふたたび歌い始める彼女の姿、貫かれるその真摯な姿勢に心を揺さぶられた。やはり、歌とは祈りなのだ。激しく、でもしなやかに、歌い、叫び、あるときはキャンバスに絵の具をぶつける自在な魂。その在り方に、名の有り無し、才の有り無しに関わらず大切にすべきものがこの世にはある、と思いをあらたにした。
posted by Ken-U at 16:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(USA) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

England Premier League+

arsenal09122705.jpg

イングランド・プレミアリーグ 第19節

アーセナル vs アストンヴィラ

セスク、すごい。60分前から出てきて、ゲームの在り方をがらりと変えてしまった。あのFKもすごかったけれど、二点目の劇走には痺れた。で、ディアビがとどめを刺す。彼の奏でる変則リズムには味わいがある。

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ハル・シティ vs M.ユナイテッド

ルーニーはすごい。走れるし、パスが出せるし、ゴールも難なく決めてしまう。しかも強い。スーパーな選手である。

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イングランド・プレミアリーグ 第15節

アーセナル vs ストーク

詳しいことは覚えていないけれど、ストークのスローインはホームではあまり恐くはない。で、フットボールの実力に勝るアーセナルが順当に勝利を得た。

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イングランド・プレミアリーグ 第16節

リヴァプール vs アーセナル

リヴァプールが意地をみせたが、あのアルシャヴィンの超絶ターンがすべてを決めた。彼のプレーはしばしば時空を超える。

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イングランド・プレミアリーグ 第18節

フラム vs M.ユナイテッド

よく憶えてないが、フラムが先制して、そのうちユナイテッドの緊張が切れ、そのままゲームがぐだぐだ進んでいたような気がする。ユナイテッド、怪我人続出でDFラインがつくれず、駄々漏れ。

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アーセナル vs ハル・シティ

アーセナルがいまひとつぴりっとせず、おまけにナスリが阿呆なラフプレーをみせ、ああこのままでは負の連鎖かと思っていた矢先、なんとデニウソンがこの難局を打開した。で、後半は余裕。遺恨は残したけれど、アーセナルとしてはまずまずの出来。

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リーガ・エスパニョーラ 第14節

バルセロナ vs エスパニョール

ダービーマッチとはいえ、実力の差が歴然。ズラタンの豪快なPKが決まり、バルサが勝利を得た。

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クラブ・ワールドカップ final

エストゥディアンテス vs バルセロナ

エストゥディアンテスの戦術は実に巧妙で、バルサのパスワークを見事に奪ってみせた。で、おまけに先制点まで奪ってしまったのである。しかしあのゴールは素晴らしかった。正確なクロスに点で合わせるヘディングの技術の高さ、強さ。

しかしさらに素晴らしかったのはバルセロナで、エストゥディアンテスが布く粘着質の守備網を土壇場で破ってみせたのだ。え、あそこにペドロが、しかもフリーで、って驚愕して、横にいる母に、ほらねってしたり顔。で、延長戦ではメッシの魂のゴール。ずっと消えていた彼が、ここぞという場面で劇走、そしてスペインではみせたことのない泥臭いシュートを決めてみせたのだ。

予想外に濃い試合となった。なんとなく、母はエストゥディアンテスに肩入れしているようにみえた。彼らのひたむきな姿勢にうたれたのではないかと想像する。
posted by Ken-U at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー(欧州) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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