2010年04月29日

「エレメント」 自然と建築、詩と音楽が繋ぐ

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『「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界』
(東京オペラシティアートギャラリー)

『四角いデカルト的な世界は、限定された空間である。私たちは、その中に住みその空間を使っている。しかし一方で、私たちは、幾何学をほかの方法でとらえることを知っている。私は、形のなかに生き生きとした感覚を取り戻したいと思っている。ギリシャのように、哲学的な基礎に支えられた、生きた有機体のように。』(ハンドブックより)

構造デザイナー、と聞いてもぴんとこなくて、ただ好奇心の赴くままに会場に足を運んだのだけれど、展示室内は不思議と居心地がよく、なぜか癒される雰囲気もあって、理解のレベルを超えて楽しむことができた。

まず、画やテクストがプリントされたスクリーンがいくつも天井から垂らされ、それらが迷路のような空間をかたちづくっているエリアがあって、その森のような迷路を抜けると、様々な幾何学の係数が散りばめられたオブジェクトが視界に入り、さらにその先、靴を脱いで進むと、薄暗く広い室内にいくつかの巨大な造形物、映像がなどが配置されていて、様々なイメージで刺激された挙句に心が解放され、室内なのに、夜の野原に身を置いているような不思議な感覚を抱かされる。遠くには山の稜線が見え、そばには岩が横たわっていて、空には星が瞬いている、ような気がする。実際、床に腰を下ろして虚空を眺める人もちらほら。

自然を見つめ、イメージを掴みながら、それを幾何学のフィルターに通して新たな形を生み出す。建築とは、人間が行う反自然的な行為であると思うのだけれど、おそらくセシル・バルモンドは、詩や音楽の力を借りながら、相反するはずの自然と建築を新たな思考、手法により繋ぎ直そうとしているのだろう。

不思議なことに、展示物を眺めていてふと折形教室(過去記事)のことを思い浮かべた。折形とセシル・バルモンド、スケールに大きな違いはあるけれど、互いの思考には何か通じるものがあるのかもしれない。
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2010年04月25日

「われら猫の子」 砂の世界を生きる

星野智幸著 『われら猫の子』 (講談社文庫)

猫とは無関係の短編集。

hoshino_cat01.jpgしばらく前に読んだので、記憶が溶けてしまって内容がはっきりとは思い出せないのだけれど、話が進むにつれてあの世に近づく感があり、加速度的に読み進めた。

始めは、作中の会話が会話になっておらず、登場人物ふたりの間で交わされるべき言葉が交差せずに、そのまま並行にこちらに向かって投げかけられているようで、それが平坦に感じられ、あるいは長い説教、あるいは演説を聞かされているような気分になり、なかなか作品に入りこむことができなかった。でも、「チノ」あたりからになるだろう、舞台がこの世から離れていくにしたがって、幻想性が増し、その毒に酔うことができて、そこから作品世界に没入した。

私はカミの悲哀が理解できた。それは、書き手である私が常にさらされている恐怖だからだ。自分の滅亡と引き替えに書くことは始まるからだ。でも、作家になるということはその覚悟を決めることだ。いや、作家に限らない。継承を実践していくとはそういうことで、誰もが引き受けなければならない。(p.138)

私が壊れ、溶けてしまうことにより、悦びが湧きあがって、同時に跡を継ぐものが生まれる。引用部分に付箋を貼ったのは、当時、自己を滅することと、神と、結ばれと、ムスコ、ムスメのことなどを散漫に考えていたからだろう。
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「陰翳礼讃」 闇の中、浮かび上がるもの

谷崎潤一郎著 『陰翳礼讃』 (中公文庫)

暗闇とともに生きる。

in_praise_of_shadows.jpg日本人の暮らしと暗闇について、谷崎自身の考えとともに、当時の日本の情景、背景などを感じとることができて、いろいろな発見があり、楽しく読み進めることができた。また、下ネタに始まり、下ネタで結ばれるところなども本書の魅力を高めていると思う。

暗闇とともに生きる。たしかに、幼い頃は、まだ暮らしのそばに暗闇が残っていた。例えばトイレに行くときに、薄暗い縁側を通り抜け、小さな電球の明かりの下で用を足さねばならず、だから居間を出る前に相当の覚悟が必要で、その時の葛藤がいまも思い出される。毎回、命懸けであった。実際、庭にうずくまっている野良猫の眼がきらりと光ったり、蜥蜴や小虫が不意に現れたり、それらを振り切って扉を開けたら、古びたトイレ(というか便所という方が実際に近い)の壁に大きなアシダカグモが張り付いて腰を抜かしそうになったり、恐ろしい出来事がいくつもあった。だから、さらに時代をさかのぼると、夜、暗闇はさらに支配的であったのだろうなあ、などと思いつつ、想像を膨らませながら本書を読み進めた。

伝統的な生地の染めについて、あの少しかすんだトーンは闇の中でこそ際立つのだと発見した。親しくしている若手デザイナーが、彼は90年代のアントワープ系に大きく影響されているのだけれど、一緒に呑んだときに、伝統的な染めの方法については否定的で、夜の闇は芯から暗いんですよ、黒ですよ、と力説していて、その時はなるほどそうかと思ったりもしたのだけれど、しかし黒の生地が際立つのは、現代社会から闇が排除されていているからで、闇とともに生きる時代にあっては、そうした黒の魅力は闇に飲み込まれて発揮されず、むしろ少しかすれた墨色、灰色などの方が闇から浮かび上がる感じがして、その色の奥行きが人々の心を惹きつけたとしても不思議はない。やはりいろいろな意味で、黒は近・現代の色なのだ。

谷崎によると、当時、夜行列車で東京から大阪まで、およそ12時間かかったという。かつての東京〜大阪は、今でいうと、東京〜パリ、ミラノに相当する。なんて発見もあった。
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2010年04月24日

「悪人」 棄てられた魂の行方

吉田修一著 『悪人(上・下)』 (朝日文庫)

馴染みのある土地が舞台であることも手伝って、久し振りに吉田修一の小説を手にした。

badguy01.JPG始めは平坦で、人々の渇いた暮らしぶりが、例えば「ルイ・ヴィトン」などの目に見える記号を通して子細に描かれていて、その描写が几帳面すぎるのか、それとも喩えが古いのか、まあその両方なのだろう、正直、読んでいて退屈を感じたのだけれど、前編の途中、祐一の登場をきっかけに作品世界が一変した。彼は、この小説の中で、温度を持つ唯一の人間だと思う。しかも、その血は熱くたぎっていた。そしてその熱くたぎる血の温度が周囲に伝播して、渇いた人々の魂を揺さぶり、巻き込みんで、悲劇の渦をかたちづくっていく。その様子に引き込まれて、読みながら、何度となく電車を乗り過ごした。

親に見棄てられた男が、親戚に引き取られ、その恩に縛られながら閉塞した世界を生きる。その有様に胸を締めつけられた。彼にとって、唯一の逃げ場が自動車だったのだろう。車を運転している間は、あらゆるしがらみから解き放たれ、ここではないどこかへ行くことができる。小説や映画において、車はしばしば共同体の比喩として描かれると思うけれど、本作において車は孤立した個人を表していて、それが印象に残った。

「悪」とは何か?「悪人」とは何者なのか?という問いが読み手に投げかけられているのだと思う。祐一は悪人なのか、偽悪者か、それとも被害者なのか?では、悪いのは誰か?当然のことながら、その答えを出すことはできない。話の結び方がよかったのかどうか、よくわからないところもあったけれど、棄てられた人間が抱える心の傷、その傷は一生癒えることはないのだけれど、ひきずらなければならない傷の痛み、また、その傷跡にさらなる暴力を受けたときの動揺、怒りなど、それらの描写に様々な感情が湧きあがり、心ゆれた。
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2010年04月18日

春、味スタでこごえる

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4月17日(土) 曇り

昼イチ、わけあってお祓い。その後、タイ飯屋で昼を食べ、いったん帰宅して、荷物をまとめ、味スタを目指す。

味スタ、寒かった。この異常気象下、17時スタートはつらい。ビール、呑めなかった。

ゲームは、東京がどうにかドローに持ち込む。でも内容は酷かった。中盤で縦のボールが入らない。左の松下を活かせない。逡巡して、ゴール前に入ることができない。まだ、課題は山積している。

とはいえ、後半の半ば過ぎには重松、赤嶺のツートップになり、攻撃に迫力がみられた。やはり、平山に対するこだわりは臨機応変に考え直した方がいいと思う。あとは中盤。梶山の復帰が待ち遠しい。

結局、ビールは呑まず。
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El clàssic +

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リーガ・エスパニョーラ 第31節

R.マドリー vs バルセロナ

ライヴにて観戦。シーズン佳境、勝ち点が並んだまま臨むクラシコはバルサが勝利を得た。それも、メッシの活躍によって。メッシ、ほんとにすごい。もう言葉がない。

とはいえ、紙一重のゲームだった。あのメッシのゴールがなかったら、勝負がどちらに転がっていたかわからなかった。でも、それがフットボールなのだ。ボールはまるい。

*****

UEFA CHAMPIONS LEAGUE - Quarter-finals, 2nd leg

バルセロナ vs アーセナル

ライヴにて観戦。バルセロナの、メッシの独壇場。今季、どちらかというとアーセナルに肩入れしていただけに、ショックが大きい。勝敗より、アーセナルがボールを保持できなかったことに落胆。

***

M.ユナイテッド vs B.ミュンヘン

天国から地獄。さすがユナイテッドと思ったけれど、バイエルンがゲームをひっくり返した。ユナイテッド、ルーニー依存から脱却しなければならない。

***

ボルドー vs リヨン

リヨンの安泰かと思っていたら、ボルドー、底力を発揮してゲームを演出した。が、力およばず。そこは経験の差なのかもしれない。

***

インテル vs CSKAモスクワ

まあ、ここはインテルの順当勝ち。インテルとの二試合を通して、本田はなにを感じただろう。来季、彼のさらなる飛躍を期待する。
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旅のいろいろ 島へ 〜 後編 〜

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4月14日(水) 曇り

朝、染め工房の息子さんが軽トラでホテルまで、で、紬の締め、織りの工房を案内していただく。織り工房のある紬協会では検品の様子もみることができ、生産量が激減した今、その様子をみることができたのはとても運のいいことだと言われ、なるほど。織りは、見るだけではなく、実体験もできた。機、この身体には小さい。

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その後、軽トラで移動して野蛮な見世物をみる。結果は、ハブの判定負け。ハブは怖い。口上によると、この群島には約20万匹のハブが生息しているという。見世物のあとは、地下にあるハブ小屋を覗く。ハブ、恐ろしと思うと同時に、人には様々な生業があることをしみじみと感じる。

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気分を切り替え、山へ。原生林をみにいく。道、険し。石、枝などがゴロゴロ転がっていて、軽トラがガッタンガッタン振動する。しかしアマゾンの如き景色、楽し。

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原生林の中。群生するヒカゲヘゴ、高し。10メートルを軽く越えるのだろう。茫然と見上げる。ほかにも、見知らぬ亜熱帯植物が、光を求め、葉を、枝を伸ばしている。

下山。昼食は半端なラーメン屋で。食後、マングローブに向かう。が、引き潮のため息子が強く勧めるカヌー体験はできず。なぜか彼、残念そう。次回があるから。また来るからさ、と呟く。

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気を取り直し、車でマングローブのそばに近づく。下車。下りてマングローブと対面。つくづく、アマゾンの如し。

乗車。そろそろ引き返したいところなのだけれども、息子が、じゃあ海みに行きましょう、と有無を言わさぬ勢いで南下。港に出る手前、また上にのぼって展望台。ふたりで大きな双眼鏡をのぞく。僕より、彼のほうが楽しげにみえる。

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もう時間があまりないですよというが、強引に海へ。丸い石がごろごろしているという浜に出る。道中、このまえ読んだ『悪人』を思い出す。下車、徒歩にて浜へ。僕より一歳下の彼はひとり煙草。黙って海を眺めている。彼は、高校を出て内地で土建屋に就職して、震災を経験、復興工事に従事したりして、その末、この島に戻って家業を継ごうとしている。

乗車、急いで戻る。走りながら、予定以上のことができてよかったね、と言われたけれど、その予定とは彼がつくった僕の予定で、実のところ、僕自身の予定とはずれがあるのだ。この日の旅は、僕の旅なのか、彼の旅なのか。ふたつの旅が混在する。

道中、泥染め工房に立ち寄り、出来上がったシャツと再会。感激。お母さん、お父さんと挨拶。お母さんは、コーヒーを飲んでいきなさいと言うが、息子が、時間ないからすぐ出るよ、とさえぎるので、彼女はだったらジュースでも買いなさいと小銭を出そうとする。ジュース、買える歳です、大丈夫ですと気持ちだけ受け取り、振り返ってお父さんに一礼すると、彼ぶすっとして、タンカン食べたか、と訊くので、東京でゆっくりいただきます、と応えた。最後、微笑みの交換。ぐっときて、また来ますと伝え、振り切るように軽トラに飛び乗る。

途中、地元の木工所に立ち寄り、ホテルにて荷物を受け取り、息子の自宅で軽トラから普通車に乗り換え、奥さん、娘さんも同乗して次の宿へ。

現地着。荷物を受け取り、歩くと皆がついてくる。宿。挨拶。宿の奥様が部屋の案内をしますというので、振り返り、ぶすっとした息子とその妻子に挨拶。皆、ぞろぞろ引き返してゆく。

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部屋。荷解き。濃密な旅から解放され、しかしその余韻に浸りながら一息つく。今、旅は我が手中に。バルコニーから浜を眺め、ぶらぶらしてから浜に出て、またぶらぶらして、戻り、うだうだしていると、夕食の時間。ここの夕食は、みな集まって下のダイニングで奥様のしゃれた手料理をいただくスタイルなのだ。宿も、現代的に再構成された古民家の如き風情で心地がよい。

食後、入浴。そして暗闇の中、就寝。

*****

4月15日(木) 雨

起床。仕度をして朝食。未明、いろいろあり寝不足で朦朧。食後、部屋に籠もり、うだうだする。この日は、夕刻までいていいよといわれており、そのお言葉に甘えることにしていたのだ。で、雨なので、本当に読書以外はなにもせず。出かけず、ずっと、宿内でうだうだした。途中、宿に併設されるショップでTシャツを購入。その後、しばらくして遅い昼食をとる。

そしていよいよ出発のとき。宿賃、食費、と、この宿オリジナルの焼酎代(ぐい呑みつき)をあわせて払い、雨だからとご主人に車で送っていただいて、空港へと向かう。感謝。

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空港にてフライトを待つ。染料の沁みた爪を眺める。外は本降り。搭乗。睡眠。モノレール、メール、電車、徒歩、自宅。電話。入浴。で、遅くに就寝。

*****

今回、泥まみれの旅は大成功に終わった。いろいろな人の厚意により濃密な旅を送ることができ、感謝、感謝。島は、自然よし、食よし、人情よしで文句のつけようがなく、様々な想いが我が胸に刻印された。これからしばらくは、土産の焼酎、タンカンを呑み、食べ、この旅の余韻を味わうことにしよう。そして次回は、もっと天気のよい時期に滞在したい。
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2010年04月17日

旅のいろいろ 島へ 〜 前編 〜

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4月12日(月) 曇り一時雨

早朝、起床。荷物をまとめ、出発。電車、モノレール、飛行機と乗り継ぎ、現地着。薄曇りだけれど、空気が生暖かい。バスにて市街。即、チェックイン。

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昼食をとるため、すぐに外出。現地で人気だと聞く鶏飯をいただく。スープが旨し。で、ホテルに戻り、お薦めされたタラソへ。無料送迎バスの中はお年寄りがほとんどだったので、どうなのかあと思ったけれど、温海水プールを満喫。屋外のジャグジーで海原を眺めた。サウナにも入る。

着替え。浜で散歩でもと思った途端、スコールの如き激しい雨。なので、おとなしく送迎バスに乗り、市街へ。道中、見知らぬ婦人から飴玉をもらう。飴、甘し。

夜、教えてもらった飲み屋へ。店には話がすでに通っており、名乗ると、対応が常連相手の如し。で、食べて、呑んだ。なにもかもがおいしかった。そのうち、現地女性二人連れが合流。薦められるまま呑んで呑んで、もうべろべろ。満喫して、何枚も記念写真を撮ってもらい、ホテルへ。シャワー後、爆酔。

*****

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4月13日(火) 曇り時々雨

朝、ホテルまで工房から車。オーナー夫妻じきじきにお迎えいただく。恐縮、挨拶、移動、工房着。息子さんと挨拶。着替え。いただいたお茶を飲みつつ、会話。旅の背景について、自分の仕事について、これからについて。

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泥田。この泥の中には鉄分が豊富に含まれていて、その成分が繊維を灰色に染めるのである。

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まず、水を馴染ませた自前のシャツを、泥に浸け、すすぎ、浸け、すすぎ、浸け、すすいで脱水し、またそれを繰り返して脱水、また繰り返して脱水する。これが第一段階。

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続いて、盥の水に石灰を溶き、そこに服を浸け、泳がせ、揉む。水を捨て、染料を入れて服を揉む、捨て、染料を入れ、揉む、また捨て、染料で揉む。これがひとセットだといわれ、黙々とこなす。

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昼食。息子は外出中だったので、ご主人、奥様と工房内の事務机を囲み、買ってきた弁当を食べる。お茶、果物をいただく。果物、うまそうに食べていたのだろう、食べ終わらないうちにまた新しいやつを切ってくれる。団欒。

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染色する工房から泥田へ抜ける通り。午後は泥から。泥をひとセット、染料をひとセット、そこで休憩を挟んで泥をひとセット、染料、また泥をひとセット、とどめに泥まみれにして、すすぎ、洗い清め、脱水して作業完了。すでに夕刻で、もうへとへと。しかし、本物の紬はもっと重ねて染めなければならないのだ。

着替え、お茶をいただき一服、それに土産のタンカンをたくさんいただき、息子さんの軽トラで近所にある夜光貝の工房を見学して、ホテルへ。一服後、また息子さんの軽トラで食事処へ。ふたりで食べ、呑み、語った。

ホテル。念願の泥まみれが叶い、情に厚いひとたちと出会えて、満足。そして快眠。
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2010年04月11日

味スタ、引き分け

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4月10日(土) 晴れ

今季、二度目の味スタ。強豪・鹿島を相手にどうなるやらと思ったけれど、どうにか引き分けることができて、よかったのやら悪かったのやら。

東京は前半早々にPKで先制するも、その後、失点。PKは、遠目には幸運のようにもみえたけれど、彼らはその運をモノにすることができなかった。まず、小笠原をあそこでフリーにしてはいけないと思う。権田は、怒るべきだ。あの時、ボールを正面にはじいちゃったなあ、なんてくよくよしてたのかもしれないけれど、その気持ちを振り切って、前の選手たちに喝を入れてほしい。

それにしても、後半、あの選手交代でよかったのだろうか。リカルジーニョ投入は賛成だったのだけれど、僕はてっきり平山に代えて出すのだと思っていた。その後も、椋原の投入など、わからなくはないけれど、どうしても点が欲しいという采配にはみえなかった。てっきり、鹿島が相手だから引き分け狙いなのかと思いこんでいたら、城福監督のコメントによるとどうしても勝ちたかったという。そこがよくわからないまま、下北で飲み仲間のひとりと遅めの夕食(彼女は飲めないのだけれど)をとり、深夜、徒歩にて帰宅したのだった。歩くのにほどよい気候だった。
posted by Ken-U at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー(国内) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月06日

花見

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4月某日(木) 晴れ

夜、退職祝いと称する花見。目黒川沿いにて。

まず、自然派レストランで食事、ひとしきりわいわいやった後、川沿いをそぞろ歩いた。この日は久し振りに暖かく、満開で、最高の花見日和だと感じた。

この日は、いわゆるアラフォー女性ふたりと三人会。うちひとりはすでに無職で、日々ぶらぶらしている。買い物とか。お食事とか。なので、そろそろ何か始めればいいのに、という話で盛り上がった。サウダージ・ブックスのことを僕が話したり、彼女を呑みに誘うという某小説家のツイートが面白い、むしろ小説よりよいのでは、みたいなことを話した。美女は、階層を跳び越えていろいろな人とつきあう。

*****

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4月某日(土) 曇り一時雨

昼から、また目黒川。

待ち合わせて、川沿いを巡礼者の如くそぞろ歩いた。昼の桜は、夜とは違う表情を持つ。途中、スパークリング・ワイン(ロゼ)。ほろ酔い、歩いていると昔の上司と遭遇。辞めて以来だった。挨拶。どうですか?と訊くと、たいへんだよと応えた。それから、あいかわらずやなあ、と言われた。お互い様。でも、偶然の悪戯に頬が緩む。酒がまわる。腹がへってくる。

この日は、アラフォー少し手前の女性二人と三人会。中目黒駅を抜け、ガード近くの自然派カフェでランチ。転職のこととか、ツイッター始めろとか言われて、あとなにを話しただろう?で、ひとり抜ける。

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フセイン・チャラヤン展をみて、常設展のエルネスト・ネトのところで横になり弛緩していると、まだ池尻にいますとメールがあったので、池尻で下車して再合流。カフェでケーキセットをいただきながら、ツイッターがどうとか、今晩のパーティーに行くとか行かないとか、少し引き、傍観者となってへらへら。

パーティーでひとり抜け、ふたりでまたそぞろ歩く。で、駅も越え、桜が途切れたところで食事。フランス風のカジュアルなレストラン。店の男女の愛想が悪し。でも食べて、呑んで。

*****

4月某日 (火) 晴れ

今日。GAIA食堂にてランチ。暖かかったのでそのまま下北まで歩く。途中、桜がきれいだった。

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チロが死んだ。

その後、気流舎にてお茶。奄美のこと。来週のイベントのことなどいろいろ話す。これを機に、ちょこちょこ遊びに行きたい。
posted by Ken-U at 18:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常のひとコマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月05日

CL+2

UEFA CHAMPIONS LEAGUE - Quarter-finals, 1st leg

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アーセナル vs バルセロナ

我が目を疑った。何故なら、アーセナルがまったくと言っていいほどボールが持てず、まるで弱小クラブの如くバルサのパスワークを傍観するばかりだったからで、その予想の裏切りっぷりに茫然、つい睡魔に負けそうになった。

あれは夢だったのだろうか。でも、夢だとしたらあれは悪夢に違いない。ゲーム内容だけではなく、アルシャヴィンにはじまり、ガラス、セスクの怪我など、アーセナルに悲劇的な災難が降りかかって、とくにセスクはカンプノウでプレーすることに特別な思い入れがあったはずで、怪我の前にイエローカードを受け、2ndレグへの望みが絶たれた時のあの姿がいまも忘れられない。そのうえ、セスク、ガラスのふたりは怪我のため今季は絶望だという。アーセナル、絶体絶命。

***

バイエルン・ミュンヘン vs M.ユナイテッド

油断大敵。ルーニーのゴールでいきなり先制したユナイテッドが余裕綽々とゲームを進め、しかし最後にバイエルンの逆転を許した。ファーガソンも、この結果は予想外だったのではないか。実況でも触れていたけれど、先制後、ユナイテッドは手を抜き過ぎたと思う。チェルシー戦のこととか、いろいろ思惑はあったと思うけれど、フットボールに油断は禁物である。一方のバイエルン、久し振りにゲルマン魂をみた。

***

CSKAモスクワ vs インテル

怪我のせいなのだろう、本田の調子が悪くみえた。FKを譲る場面もあったし、ここで利き足を痛めたのはいろいろな意味で痛い。ゲームはインテルの貫録勝ち。

***

リヨン vs ボルドー

横目でみた。スコアにここまで差がつくとは思わなかった。リヨン、意地の勝利というところか。

*****

リーガ・エスパニョーラ 第30節

バルセロナ vs A.ビルバオ

主力を温存しながらも、ボウジャンの活躍などによりバルサが勝利を得た。ジェフレンもチャンスを活かせたし、アーセナル戦に向けて、チームのムードがよい具合に騰がっている。

*****

イングランド・プレミアリーグ 第31節

アーセナル vs ウエストハム

振り返ってみると、CL前にこれだけ激しいゲームをこなすと、やはり怪我をしやすくなるのではないかと思う。フェルマーレンの退場以降、2ndハーフをまるまる10人でプレーしたのだから。

*****

今週のバルサ対アーセナルは、是非ともライヴでみたい。
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「つつむ・むすぶ・おくる」 縁の重なり、結び

『折形デザイン研究所の新包結図説・展』 報告+出版記念イヴェント

「つつむ・むすぶ・おくる」 山口信博 x 石倉敏明 (LIFE CREATION SPACE OVE)

折形デザイン研究所代表・山口信博さんと芸術人類学研究所助手・石倉敏明さんのトークショー。

origata.jpg冒頭、おふたりの関係について。石倉さんがまだ学生のころ、中沢ゼミの誰かの仲介で、折形デザイン研究所の方々と『カイエ・ソバージュ 愛と経済のロゴス』(過去記事)の勉強会を開いたことがあり、それ以来のつきあいなのだそうだ。地下鉄サリン事件以降、中沢さんは世間からバッシングを受けていて、業界からも干されていたから、当時、ゼミ生はまだ肩身が狭く、そんなときに外から声を掛けてもらえて嬉しかった。などというエピソードが披露された。

山口さんはもともとグラフィック・デザイナーで、どちらかというとスイスあたりのモダンデザインが好きだということなのだけれど、しかし折形との偶然の出会いにをきっかけに和の世界に辿り着いたのだという。聞きながら、縁の不思議さについていろいろ考えてしまった。

締めは、山口さんのおじ様の挨拶。イヴェントの盛況振り、客層の若さにいたく興奮されていて、最後、展覧会を是非とも都心で開きたい、協力がほしい、と訴えられた。昔、彼は神学を学び、その後は禅を経験したり、やはり西欧と日本文化を結びつけることにたいへん興味を持たれていて、お幾つくらいなのだろう、年齢を感じさせない情熱のほとばしりに心が揺れ、同時に頬が緩んだ。

イヴェント後は、軽くお菓子とお茶。で、研究所へ移動して展示を見学した。研究所は落ち着きのある素敵な空間で、店舗でもあるので、熨斗袋など、また買い物にきて、結んだり包んだりしたい。
posted by Ken-U at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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