2015年02月26日

「ACTOR・シミズイサム」 滑稽と哀愁のモノクローム

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2015年2月8日(日)

『ACTOR・シミズイサム』
作家:森山大道
場所:Akio Nagasawa Gallery 銀座

森山流のユーモアとペーソスが感じられるシミズイサムのポートレート。発表機会の少なかったレアものだそうで、眺めていて昭和に対する郷愁のような感情がこみ上げくる。躍動感のあるシミズ氏の身振りと、おどけた表情の裏側に感じられるある種の哀しみ。かつて芸能の世界を眺めるときに感じられたあの陰影はどこにいってしまったのだろう。影は排除され、この世界は光に満ちる。森山大道のモノクロームに惹かれるのは、気づかぬうちにその眩さに疲れているからなのかもしれない。
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「さらば、愛の言葉よ」 次元の狭間で

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2015年2月10日(火)

『さらば、愛の言葉よ』
監督:ジャン=リュック・ゴダール
原題:Adieu au langage
場所:シネスイッチ銀座

初の3D体験はゴダールで。
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2Dと3Dの間を行き交う、さらに時空を越える映像世界に言葉を失う。男女の諍い。流血。森。犬。睡魔と戯れる時間帯もあったけれど、でも心地よかった。もう言葉は聞きたくない。ずっと映像を眺めていたい。犬が可愛いかった。
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2015年02月19日

「二重生活」 すべては宙づりのままに

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2015年2月6日(金)

『二重生活』
監督:ロウ・イエ
原題:浮城謎事 Mystery
場所:Uplink X

若者が酒に酔い、クラブで踊り狂い、叫び、車を暴走させる。絡み合う男と女。こうした風俗を眺めていると、これまで別世界に思えた中国がどこか身近に感じられる。幼稚園で遊ぶ子供たち。女性たちは街でショッピングを楽しんでいる。そして、仲睦まじくみえる夫婦。二人の間には幼い娘がいる。夫は会社を経営しているようで、経済的にも恵まれた暮らしを送っている。

本作は、ある夫婦の秘密が露わになるある事件を描いている。簡単にいうと不倫絡みの犯罪劇なのだけれど、ロウ・イエは犯人探しにあまり頓着しない。というか、真犯人は判ってはいるのだけど、そこに辿り着こうという意思があまり感じられないのだ。ロウ・イエ流のサスペンス劇は、なにも解決することなく全てを宙づりにしたまま幕を閉じる。

冒頭の車の暴走シーンとラストの高速道路が印象に残る作品だった。あの車の描かれ方に今の中国社会のあり様が投影されているのだろう。今後のロウ・イエ作品にも注目したい。
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2015年02月17日

「Cosmic Perspective」 生命を包み込む世界

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2015年1月31日(土)

「Cosmic Perspective」
作家:塩保朋子
場所:SCAI THE BATHHOUSE

紙のような素材に切り絵のような細工を施して形づくられる作品群。作品の近くに顔を寄せると、手仕事による繊細な技術が感じられる。離れて眺めると、それがある種の生命体のような不思議な空気を漂わせる。

もっとも気に入ったのは、奥の暗室に展示されていた「Universe」という大作。母体や宇宙など、暗がりの中に生命を包み込む世界の広がりが感じられた。現代美術はコンセプトもそうだけど技術も大切だなと。
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2015年02月16日

「デヴィッド・ボウイ・イズ」 エイリアンを愛す

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2015年1月28日(水)

『デヴィッド・ボウイ・イズ』
監督:ハミッシュ・ハミルトン 
原題:David Bowie Is
場所:新宿ピカデリー


ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)で2013年3月23日-8月11日に開催された回顧展。そのドキュメンタリー。

10代のとき、初めて自費で購入したアルバムはボウイの代表作「ジギー・スターダスト」だった。ボウイは自らが「宇宙人」であることを初めてカミングアウトしたロックスター。彼は、その後も繰り返しそのペルソナを更新し、創作のスタイルを変化させながら、ロックの領域を、また音楽に限らず視覚表現の世界をも拡張し続けた。本作では、その過程を様々な映像を通して追うことができる。

当時、そうしたボウイの存在がぼくの心の拠り所だったことを思い出した。この世界に対する違和感。言葉にすることもできず、だた漂流するばかりの心。ボウイは、そうした魂の動きをすくいとり、ロックの中に籠めて、この世界と衝突させ、爆発させたのだ。ぼくは時系列に彼のアルバムを購入しながら、その火の粉のようにきらびやかな世界に心酔した。そして10代の時を生き延びた。

2年前、夏休みにロンドン旅行を企てたのだけどスケジュールが合わず断念。回顧展を観るという夢は果たせなかった。日本への巡回もないようなのでかわりに図録(限定の日本語版)を購入したのだけれど、こうして動く映像を観るとより体験に近づく。いろんな思い出が蘇って、胸が少しチリチリとした。
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2015年02月10日

青山で写真三昧

1月24日(土)
妻が睫毛のエクステンションをつけてる間、ギャラリーをハシゴ。写真展を眺めた。

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森山大道『Dazai』(AM)

森山大道が描く太宰治。『ヴィヨンの妻』が下敷きになっているようだけど、それより森山大道の色が前に出た写真だった。しかしこの迫力はどこから湧き出ているのだろう。

***

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『TANGE BY TANGE 1949-1959 丹下健三が見た丹下健三』(TOTOギャラリー・間)

丹下健三の初期に注目し、作品ごとにコンタクトシートが展示されている。又、中庭では大きく引き伸ばされた写真を見ることもできる。年末年始、Eテレで見た建築関連の番組でにわかに丹下健三のことが気になりだし本展に足を運んだのだが、その方面の知識があればさらに楽しめたと思う。印象に残ったのは広島平和記念資料館のコンタクトシート。なにもない広場にモダンな建築物が立ち上がり、また、そこに多くの人々が流れ込んでゆく。

***

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ホンマタカシ『チャンディーガル(Chandigarh)』(CoSTUME NATIONAL ・LAB・)

ル・コルビュジエによる都市計画で国際的に知られるというチャンディーガル。といっても、この日までそうした背景は知らなかった。ギャラリーには写真の展示だけではなく、現地で撮られた映像も流されていた。いかにもアジア的な喧噪。その背景に広がるモダン建築。色彩が綺麗だった。

まだ文章を書くことに馴染めてないのだけど、ぼちぼちといきたい。
posted by Ken-U at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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