
2015年2月12日(木)
『イザイホウ−神の島・久高島の祭祀−』
監督:野村岳也(海燕社)
場所:Uplink
沖縄島の南東5kmの海に浮かぶ孤島。久高島でかつて執り行われていた「イザイホウ」という神事のドキュメンタリー。
久高島は密な集落で、島に暮らす人々はみなこの島で生まれ、育ち、また集落内で結婚をして子を産み、育てる。成人した男は海に出て漁師となり、女たちは家事と農業に携る。このイザイホウは、海人である男性たちの無事を祈るために30歳から41歳の女性たちが巫女となるために執り行われる神事である。
板1枚の下は地獄。海人の言葉は重かった。一方、命がけで働く男たち対し、島の女性たちは寛容である。生きて家に帰れたらそれでいい。言葉にはされなかったけれど、乱暴にまとめるとそのくらいの覚悟が感じられた。イザイホウの神事は、4年に1度、ほぼ1カ月ほどの期間を費やして行われる。
宗教と個人の自由について、人間の命と魂の幸福などについてぼんやり思いをめぐらせながら儀式の様子を眺めた。