2008年11月09日

Premier League #12

イングランド・プレミアリーグ 第12節

アーセナル vs M.ユナイテッド

arsenal08110809.jpgナスリ、ナスリ、ナスリ!

ついにエクスタシーに達した彼は、鳥のように羽ばたきながらピッチ上を跳びまわった。ナスリ、いいやつだと思う。あと、ナスリといえばあれは開幕戦だったか、彼が、試合前にイスラムの小さな儀式を執り行い、そして開始早々、移籍後初ゴールを決めたあの歓喜の情景を思い起こす。あのときから、彼はアーセナルにすっかり馴染んでいた。その後も、まだ21歳とは思えぬ堂々たる活躍ぶりをみせている。

素晴らしい試合だった。攻守の切り替えがめまぐるしく、いつ何時なにが起きるかわからないスリリングな状況の中、ひとつのボールをめぐり、両チームの選手たちが渾然一体となってひとつの大きな運動体をかたちづくっていた。そしてその運動体はスタンドにまであふれ出し、観客たちをも巻き込んで、スタジアムを興奮と緊張のいりみだれる巨大なグルーヴで満たしたのである。

英雄ナスリは、その拮抗によって保たれていた対称性を切り裂いてみせた。その瞬間、対称性の破れ目から噴き出す喜悦の爆発が、ナスリの意識を吹き飛ばし、彼の姿を人から鳥へと変えたのだ。彼は、無邪気に羽ばたきながらスタジアムの上空高く舞い上がって、この情景を俯瞰した。そして、恍惚に浸った。

終盤、観客たちの祈る姿がたびたび画面に映し出され、これはつくづくよい試合だなあと思った。試合の結末が人智を超えた高いところで宙吊りにされてしまうと、観客はもう祈るしかない。なので、僕も祈るような気持ちでこの試合を眺めた。で、終了後にガッツポーズ。アーセナルは、この若き英雄の活躍によって危機的状況を脱した。しかし、サッカーはまだこれからも続くのである。


posted by Ken-U at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー(欧州) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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