2009年01月07日

「バイバイ ポラロイド」 photo, cinema, life...

森山大道 『バイバイ ポラロイド』 (タカ・イシイギャラリー)

昨夏、ポラロイド社はインスタントフィルムの生産を終えた。バイバイ、ポラロイド。

bye-bye-polaroid00.jpgギャラリーの壁に、森山大道によるポラロイド写真が横一列に並べられている。その高さは1メートル20〜30センチくらい。僕はやや腰を曲げ、少しずつ横にずれながら、隙間なく並ぶその写真群を眺めた。よく思い出せないが、たぶん、20〜30分くらいで鑑賞できたと思う。

さすがだなあと思ったのは、いわゆる即席プリントであるにもかかわらず、それぞれの写真がとても森山大道らしく仕上げられているという当然といえば極々当然なところで、しかしよくよく考えてみると、作家の手の届かないところでプリントされるポラロイド写真が作家の掌中にどうしてあれほど見事に収まるのか、職人の技とはなんとも摩訶不思議なものだとつくづく思う。さらに、それぞれの写真には、路地裏、擦れた広告、看板、窓ガラスやショーウィンドウの向こう側、空に走る電線、雲、唇、花、そしてユーモラスでありながらどこか哀しげにみえる自画像など、彼の世界が凝縮して詰め込まれている。その即席写真が、ギャラリーの壁(六面ほどだったか)にずらりと並べられているのだ。それは写真でありながら、映画であり、ライフであった。

ギャラリーの帰り、一緒に観たデザイナー(の卵・26歳・♂)といろいろ話しをしていたら、ライフですね、と珍しくいいことを言った。で、愉快になり、その後、わざわざ会社の最寄り駅まで立ちもどって、例の一軒家にあがりこみ、飲んで、食らった。ゆるりとしたいい夜だった。奢るかわりに、やつの「ライフ」という言葉をこっそり盗みとってやった。


posted by Ken-U at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。