米英の奴隷制度の歴史と砂糖産業の関係。そして今も続く経済奴隷からの搾取や政治に対する圧力の現状、砂糖と肥満との因果関係について。
かつて、砂糖産業は奴隷制度と強く結びついていた。奴隷が解放されたはずの現在でも、その状況は改善されていない。番組では、アメリカ砂糖業界で最も大きな力を持つとされるフロリダ・クリスタル社と、同社が経営するさとうきび農園を中心に取材をしている。フロリダ・クリスタル社は亡命キューバ人のファンフル兄弟が所有している砂糖製造企業で、フロリダのエバーグレーズをその拠点としている。ホセ・ペペ・ファンフルは共和党と、アルフォン・ファンフルは民主党と強いパイプを持ち、両党に多額の政治資金を供給しており、その見返りとして年間15億ドルの補助金を政府から受けている。
また、同社はドミニカ共和国内にセントラル・ロマーナというさとうきび農園を所有しており、そこでは、主にハイチ共和国から来た労働者が農作業に従事している。農園敷地内には労働者の居住区があり、彼らはそこで家族と暮らしている。
さとうきび農園で働く人々の暮らしはあまりに悲惨なものだ。彼らの財産は、さとうきびを刈るための道具一本のみで、日中は食事をとる事もできず、過酷な労働を強いられている。低賃金に加え、居住区内で販売されている食料は価格が割高に設定されているため、満足に食材を購入することもできない。子供たちは空腹になると、農園に出かけ、さとうきびを齧ることで腹を満たそうとする。居住区内は監視員が見回りをしていて、野菜を栽培することなども禁止されている。彼らは不法就労者なので、医者に掛かることもできない。頼りは巡回に来るひとりの神父だけだ。
搾取の現状と対比するために、パームビーチの社交界に属するファンフル一家の豪華な暮らしぶりが紹介される。彼らは慈善事業家、大型リゾート経営者としての顔も持っている。皮肉にも、その大型リゾート施設はドミニカのさとうきび農園と隣接した場所につくられていた。
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砂糖の消費量は、この20年間で飛躍的に増加している(とくにアメリカ国内)。その消費を支えているのが清涼飲料水業界だ。過度に砂糖がつかわれた清涼飲料水は、習慣性があり、水よりも安く買えることもあって、その消費量は増加の一途を辿っている。その副作用として、肥満の問題が深刻化しているのだが、砂糖と肥満との因果関係については論争が続いており、その決着はついていない。業界に囲われた科学者はその因果関係について否定的な意見を主張し、業界はWHOに強い圧力をかけている。
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キューバからアメリカへ渡り、白い粉の力で立身出世するという物語は、映画『スカーフェース』(過去記事)とよく似ていると思った。業界のトップに上り詰めるまでにはいろいろと苦労があったのだろう。しかし、砂糖は西欧で合法的な嗜好品とされているから、コカインを扱うよりはリスクの少ない商売なのかもしれない。砂糖の世界は、思ったよりも奥深いものだった。



私も番組をみました。
奴隷のように働く人たちのことは、これまで想像はできてもなまじっか映像で見てみると、「知らなかったんだ」と思いました。
生産者、消費者両サイドにいびつな形の多大な不幸をもたらす経営者の罪は、何代続けてもつぐなえないほど重いように思います。本当の意味でのノブレス・オブリージなんて言葉は彼らの辞書にはないでしょうね。
やはり、映像の影響力は強いですね。ぼんやりと想像してみるのと違って、搾取の現場を映像として体験すると、衝撃を感じてしまいます。
我々はこの搾取の恩恵を受ける側の人間ですから、その現実は把握する必要があるんでしょうね。
普段、何気なく食べている食事の中には必ず、砂糖がありますよね。それが、あんなふうに作られている物だとは全く知らなかったし、思いもしませんでした。知らないからこそ、ごく普通に砂糖を使うことが出来るんでしょうかね。
一体、私たちはこの出来事を変えるためにどうすれば良いんでしょうか…。
ぼくもこの番組を眺めながら、同じような思いを抱きました。個人ができることはとても限られていますよね。
ひとつには、過度な砂糖の消費を控えるという対応ができるのだと思います。清涼飲料水を飲まないとか。間食を控えるとか。とてもダイエットによさそうですけど。
それに、日本の食文化の中で砂糖は嗜好品じゃないということも考えておきたいですね。基本的に、砂糖は料理の中に組み込まれていますから。和食中心の食生活をすれば、自ずと砂糖の消費は抑えられるのではないでしょうか。
あと、いつのまにか食事前に手を合わせることをしなくなった、ということに気づきました。子供の頃まではやってたんですが。食事を大切に考えないといけない、と反省されられましたよ。
その後、フェアトレードについて興味をもち、調べたりしました。
http://mscience.jp/ftdantai.htm
フェアトレード商品が皆が行く店にそれと分かるように並んでいれば、何か変わるかもしれないなんて思ったりします。難しい問題もでてくるのでしょうが。
ちょうど有機農産物の認証について読んで社会との結びつき方を考えました。
「新版 コミュニティ・ソリューション―ボランタリーな問題解決に向けて」
金子 郁容
全ての交易はフェアトレードであるべきだと思いますが、状況は悪化しているような気がします。フェアトレードの持つ付加価値がなくなるような時代になればいいんですが。
紹介していただいた本も面白そうですね。情報ありがとうございました。