『Tribute To Pandit Kishan Maharaj - Live From Saptak Festival』 (Sence W.M.)昨年五月に亡くなったインド古典音楽の巨匠、パンディット・キシャン・マハラジを悼むライヴアルバム。

タブラのソロ演奏がゆるゆると続く。といっても、そのリズムが緩慢だというわけでは決してなく、むしろタブラが生み出すビートは密に感じられる。なので、「ゆるゆる」という表現は適当ではないのかもしれないけれど、しかしそれは鬼気せまるものではなく、むしろ人の心を解きほぐすようなところがあるのでここではあえて「ゆるゆる」と表現した。拘束的ではなく、開放的というか、瞑想的なのだ。ゆるやかに流れる時の中にきめこまやかなタブラのビートが木霊している。
CD1の終盤で、ガネーシュ・パランという神々の名前をサンスクリット語で唱えたあとにタブラを打ち鳴らす儀式が挿入されている。ほのぼのとした空気の中に音楽と宗教との原始的なつながりが保存されていて、人間の暮らしと宗教を完全に切り離すことはおそらく不可能なのだろうなあ、などと空想した。
posted by Ken-U at 23:33|
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