
録画しておいた「週刊ブックレビュー」。ゲストは荒木経惟氏。昨秋刊行された『写真ノ話』をめぐるインタビュー。
回想を通した写真観。電通時代の習作、イタリアン・リアリズムの影響下にある『さっちん』、既に始まりと終わりが交錯していたという『センチメンタルな旅』、それにご両親の遺影にまつわるエピソードなど、当時の作品やその背景に関する荒木氏の想いが語られていく。
写真には生と死が入り混じっていなければならない。そう荒木氏は繰り返していた。妻と両親、大切な人の死を3回経験すると写真家になれる、と話しながら目に薄っすらと涙を浮かべる荒木氏はとてもアラーキーだった。インタビューがの終わりが少ししんみりしてしまい、それを気にして「...足りないねw」と照れ笑いしてたりして。とてもかわいい人だ。自分でもそう言ってたけど。
湿度が大切なのだ。現代的、未来的である必要はない、過去を引きずりながら生きていくのだ。という言葉が聞こえてきた時に、昨晩の『マグノリア』(過去記事)を思い出した。あれは偶然の一致によって複数の物語が交錯していたけれども、その偶然がこのインタビューにまで広がっているような気がした。
現在、荒木経惟氏の大回顧展がイギリスで開催中されていて、その後、欧州各国を巡回するそうだ。
荒木氏の周囲への思いやり、サービス精神は見事ですね。
荒木氏のサービス精神は見事です。それが彼の人気を支えているという面もあるんじゃないでしょうか。