「Tai Rei Tei Rio」をめぐって。
高木正勝が森や海辺を歩く姿、彼の言葉、「Tai Rei Tei Rio」(過去記事)のリハーサル、そのコンサートの様子など、映像と音と言葉によるモザイク。去年のライヴを実際にみていると、あのときの興奮が静かに甦ってくる。作品単体として、このドキュメンタリー映像にどれほどの価値があるのかはよく分からないけれど、あのライヴの復習としてみる限りにはとてもよい素材だと思った。暗闇の中、高木正勝の世界に浸ることができるし、すべてを忘れられる。そして毛穴から、あのときの記憶が静かに湧きあがってくる。眼前のモザイクと記憶のモザイクの交差。そこで生み出されるグルーヴが、意識を浮遊させ、わたしをどこか遠いところへ連れ出してくれるのだ。
実は、中沢さんとのトークイベントの日に本作を観ようとしたのだけれど、当日の夕刻、すでに満席で中に入ることができなかった。聞くところによると、その日は予約のために朝から並ぶ人もいたという。で、そのかわりというわけではないけれど、この日、客席にヤドランカさんをみつけ、その幸運に気分が盛り上がった。彼女はとても目立っていた。帰宅後、ネットで彼女やほかのメンバーのプロフィールをチェックしたり、ライヴスケジュールをみてみたり。なにもかもが興味深く思える夏の夜であった。


