高木正勝 (ピアノ)
ヤドランカ (ボーカル、サズ)
福井則之 (馬頭琴、ホーミー)

しかし時の流れとは残酷なもので、このつつましい幸福な時間をあっけなく終わらせてしまう。しかも、演奏の終わりをぐだぐだにして。あれは緊張の糸が切れたせいなのだろうか。周囲のノイズが悪かったのか。あるいは六本木という街にわく毒気がそうさせたのか...すべては謎に包まれたまま、見あげると、夜空。
いっそのこと、すべてを終わらせてくれればよかったのに...散会後、高木正勝さんが落ち込んでいるのではないかと心配になりながら、それでも初期の作品をライヴで観たのは収穫だったなあ、なんて思いながら、同じく観にいったふたりと一緒に夜半まで呑み、とぼとぼと、帰宅。そういえば、月はあの日のあの空に出ていたのだろうか。