
10年1着は、10年着つづけられる特別ではない特別な服、をコンセプトに、カスタム・オーダーを受けたり、既製服をウェブ販売したり、こちらも個人で商売をなさっている。ウェブでそのアーカイヴを眺めるとそれぞれに小さな物語が籠められていて、読んでいるうちにその世界に引き込まれてゆく。
このイヴェントは、ムスブリの生地をつかって10年1着で服を作る、というたいへん贅沢な企画で、店内に並べられた生地をみているだけで、大興奮。それから生地を選んで、どんな服を作りたいか相談を進めるのだけれども、こうした面白い試みが、いわゆる「業界」ではなく、その外部であるはずの「書店」で行われているところに複雑な想いを抱く。