2010年03月21日

「此処彼処」 その先に広がる闇、彼岸

川上弘美著 『此処彼処』 (新潮文庫)

訪れた場所の記憶。その数々。

kokokashiko.jpg川上弘美の小説を読み進めていると、その世界にただならぬ気配を感じ、そこに不思議な魅力を感じたりするのだけれど、本作はエッセイであるにもかかわらず、とくに前半は小説を読むときのように得体の知れない怖さのようなものがあって、その、現実と創作の境界が曖昧になるところが味わい深く感じられた。

実際、平坦にみえるこの世にも抜け穴というか、落とし穴というのか、そういう得体の知れない通路のようなものがあって、おそらく、その道の先にはあの世の闇が広がっているのだと思う。そしてその暗闇は、たぶん、タイトルにある「彼処」の、そのさらに先の方、奥深い部分と繋がっているのだ。たしかに、この世は闇に覆われている。


posted by Ken-U at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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