2010年04月18日

旅のいろいろ 島へ 〜 後編 〜

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4月14日(水) 曇り

朝、染め工房の息子さんが軽トラでホテルまで、で、紬の締め、織りの工房を案内していただく。織り工房のある紬協会では検品の様子もみることができ、生産量が激減した今、その様子をみることができたのはとても運のいいことだと言われ、なるほど。織りは、見るだけではなく、実体験もできた。機、この身体には小さい。

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その後、軽トラで移動して野蛮な見世物をみる。結果は、ハブの判定負け。ハブは怖い。口上によると、この群島には約20万匹のハブが生息しているという。見世物のあとは、地下にあるハブ小屋を覗く。ハブ、恐ろしと思うと同時に、人には様々な生業があることをしみじみと感じる。

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気分を切り替え、山へ。原生林をみにいく。道、険し。石、枝などがゴロゴロ転がっていて、軽トラがガッタンガッタン振動する。しかしアマゾンの如き景色、楽し。

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原生林の中。群生するヒカゲヘゴ、高し。10メートルを軽く越えるのだろう。茫然と見上げる。ほかにも、見知らぬ亜熱帯植物が、光を求め、葉を、枝を伸ばしている。

下山。昼食は半端なラーメン屋で。食後、マングローブに向かう。が、引き潮のため息子が強く勧めるカヌー体験はできず。なぜか彼、残念そう。次回があるから。また来るからさ、と呟く。

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気を取り直し、車でマングローブのそばに近づく。下車。下りてマングローブと対面。つくづく、アマゾンの如し。

乗車。そろそろ引き返したいところなのだけれども、息子が、じゃあ海みに行きましょう、と有無を言わさぬ勢いで南下。港に出る手前、また上にのぼって展望台。ふたりで大きな双眼鏡をのぞく。僕より、彼のほうが楽しげにみえる。

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もう時間があまりないですよというが、強引に海へ。丸い石がごろごろしているという浜に出る。道中、このまえ読んだ『悪人』を思い出す。下車、徒歩にて浜へ。僕より一歳下の彼はひとり煙草。黙って海を眺めている。彼は、高校を出て内地で土建屋に就職して、震災を経験、復興工事に従事したりして、その末、この島に戻って家業を継ごうとしている。

乗車、急いで戻る。走りながら、予定以上のことができてよかったね、と言われたけれど、その予定とは彼がつくった僕の予定で、実のところ、僕自身の予定とはずれがあるのだ。この日の旅は、僕の旅なのか、彼の旅なのか。ふたつの旅が混在する。

道中、泥染め工房に立ち寄り、出来上がったシャツと再会。感激。お母さん、お父さんと挨拶。お母さんは、コーヒーを飲んでいきなさいと言うが、息子が、時間ないからすぐ出るよ、とさえぎるので、彼女はだったらジュースでも買いなさいと小銭を出そうとする。ジュース、買える歳です、大丈夫ですと気持ちだけ受け取り、振り返ってお父さんに一礼すると、彼ぶすっとして、タンカン食べたか、と訊くので、東京でゆっくりいただきます、と応えた。最後、微笑みの交換。ぐっときて、また来ますと伝え、振り切るように軽トラに飛び乗る。

途中、地元の木工所に立ち寄り、ホテルにて荷物を受け取り、息子の自宅で軽トラから普通車に乗り換え、奥さん、娘さんも同乗して次の宿へ。

現地着。荷物を受け取り、歩くと皆がついてくる。宿。挨拶。宿の奥様が部屋の案内をしますというので、振り返り、ぶすっとした息子とその妻子に挨拶。皆、ぞろぞろ引き返してゆく。

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部屋。荷解き。濃密な旅から解放され、しかしその余韻に浸りながら一息つく。今、旅は我が手中に。バルコニーから浜を眺め、ぶらぶらしてから浜に出て、またぶらぶらして、戻り、うだうだしていると、夕食の時間。ここの夕食は、みな集まって下のダイニングで奥様のしゃれた手料理をいただくスタイルなのだ。宿も、現代的に再構成された古民家の如き風情で心地がよい。

食後、入浴。そして暗闇の中、就寝。

*****

4月15日(木) 雨

起床。仕度をして朝食。未明、いろいろあり寝不足で朦朧。食後、部屋に籠もり、うだうだする。この日は、夕刻までいていいよといわれており、そのお言葉に甘えることにしていたのだ。で、雨なので、本当に読書以外はなにもせず。出かけず、ずっと、宿内でうだうだした。途中、宿に併設されるショップでTシャツを購入。その後、しばらくして遅い昼食をとる。

そしていよいよ出発のとき。宿賃、食費、と、この宿オリジナルの焼酎代(ぐい呑みつき)をあわせて払い、雨だからとご主人に車で送っていただいて、空港へと向かう。感謝。

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空港にてフライトを待つ。染料の沁みた爪を眺める。外は本降り。搭乗。睡眠。モノレール、メール、電車、徒歩、自宅。電話。入浴。で、遅くに就寝。

*****

今回、泥まみれの旅は大成功に終わった。いろいろな人の厚意により濃密な旅を送ることができ、感謝、感謝。島は、自然よし、食よし、人情よしで文句のつけようがなく、様々な想いが我が胸に刻印された。これからしばらくは、土産の焼酎、タンカンを呑み、食べ、この旅の余韻を味わうことにしよう。そして次回は、もっと天気のよい時期に滞在したい。


posted by Ken-U at 13:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常のひとコマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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