2010年05月29日

ハケン #4

10050502.jpg

4月某日

販売スタッフ主催の送別会が開かれた。ゲストは、僕と、僕のひと月ほど前に辞めたMさん。彼女は、その数ヶ月前に店でやらかして、店のマネージャーと僕にひどく叱られ、で、それ以降の風向きの悪さに嫌気がさして、その後、そそくさと転職を決めてしまったのだ。とくに僕に相談もなく、拍子抜けするくらいに、あっさりと。

会はそれになに盛り上がった。というか、普通の飲み会のような雰囲気。でも、Hさんと、Sさんは、僕を責め続けた。これ、どういうことですか。信じられないんですけど(苦笑)。とくにSさんは、まだ未熟な我が子を棄てるようなことをあなたはしているんです、と訴える。たしかに、Sさんの言うとおり、僕は彼女たちを見棄てようとしている。そこになにも異論はない。

高度な世界は、人間を冷酷にする。だから僕も、実の妹を見殺しにしたり、ハケンを見棄てたりしながらこの世界を生き延びようとしているのだ。皆となにも変わらない。極々普通の、平凡な、どこにでもあるありふれた人生である。

それからどのくらい時間が経っただろう、遅刻してきたMさん。でも結局、挨拶だけですぐに立ち去ってしまった。その残像を眼で追いながら、彼女と真面目に向き合ってきたこの二年半を、Mさんはいったいどう考えているのだろう。と、考えたりもするしたのだけれど、でもふと振り返ると、この場にいる彼女たちもそうした思いを僕に対して抱えているわけで、だから結局のところ、裏切り、裏切られて、呑んで呑んで、わいわいやるしかないのだろう。で、小便を垂れ流しながらすべてを忘れ去るのだ。

最後、これといった挨拶もなく、一次会のみで解散。これで四年間にわたる僕の仕事のすべてが終わった。

*****

5月某日

Hさんと二人で呑む。この町の、いい感じの居酒屋で。以前、彼女にCDを貸す約束をしていたり、呑む約束もあったので、この機会にいったん約束を果たし、区切りをつけておこうと思ったのだ。終始、彼女は上機嫌で、まあいろいろありますからねえ、なんていって、いま同棲しているの彼氏のこととか、Sさんの嫌なところだとか、他愛もない会話を楽しみ、ノリのよい店のオーナーまで巻き込んで、で、よろよろしながらもう一軒。次はワインを呑み、なにを話したかは忘れてしまったけれど、でもとにかく楽しい夜であった。

丑三つ時。タクシーに乗り込むHさんを見送り、徒歩にて帰宅。次の会はあるのだろうか。果たして、それはいつ頃になるのだろう。


posted by Ken-U at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常のひとコマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。