2010年10月10日

Keith Jarrett Trio 時空を超える旅、神技

Keith Jarrett Trio - Japan Tour 2010

10月3日(日) 曇り

keith_jarrett_trio_2010_2.jpg念願のコンサートに足を運べ、それでけで感無量になり緊張してしまったのか、開演前に軽くワインでも、と思ったりもしたのだけれど席から離れられず、ただじっと漆黒の舞台を眺め、三人の登場を待った。

開演。1st.ステージはテンポの速い曲、「Shaw 'Nuff」、「Butch And Butch」などでキースのミスタッチが目立ち、それぞれの連携にぎくしゃくしたところもあって、彼らも老いが隠せないのだなあ、とか、近年の演奏がアルバム化されないのはこうした理由があったのか、などと、いらぬことをもやもや考えたり、正直、舞台に集中しきれないところもあったのだけれど、しかし演奏は尻上がりに濃度を増していき、ピアノは縦横無尽に弾け、その波動にベースのうねりが、ドラムのビートが複雑に絡み合って、気づくと闇は得体の知れぬ異次元、わたしの意識はその快楽の中に溶けていたのだった。喝采。最後、爆発的な拍手とともに彼らは消えた。

このトリオの素晴らしさは、個の表現を超えた次元で音楽を鳴らしているところにあると思う。おそらく、みな無心なのだ。無心のまま闇の中に身を潜め、そこから沸き立つなにかしらをたどり、響かせながら得体の知れない時空へ聴衆をいざなう。たぶん、これが成熟した音楽というものなのだろう。時の流れは彼らから様々なものを奪ったのだろうけれど、その一方で、彼らはかけがいのないものを得て、そうして神から与えられたその恵みを音楽の成熟につなげ、それを聴衆に贈りとどける旅を続けているのだ。彼らにとって、生きること、命そのものが音楽と繋がっているのだろう。

*****

Set List

<1st>
1. Golden Earrings
2. Shaw 'Nuff
3. Little Man, You Have Busy Day
4. Butch And Butch
5. Last Night When We Were Young

<2nd>
1. You Won't Forget Me
2. Things Ain't What They Used To Be
3. Broadway Blues

***
<"Encores">
1. I've Got A Crush On You
2. Answer Me, My Love
3. Straight, No Chaser

*****

帰り、祝杯をあげなければ、という気持ちが抑えられず、近所の食堂に立ち寄る。最近できた店で、カウンターで、適度な会話と、グラスのスパークリング・ワインで始め、続いて白、で、締めは自家製のリモンチェッロ。これがまた至福の出来なのであった。
posted by Ken-U at 17:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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