2011年01月02日

「Transformation」 変態する生命のかたち

『トランスフォーメーション ― 東京アートミーティング』 (東京都現代美術館)

テーマ:「変身-変容」

transformation.jpg

変身を描く意味。人と、人に非ざるモノとの交わり。人は外部の世界に畏怖を感じ、そこに棲むものにも強い畏れを抱くのだけれど、同時に、それらに対する憧れのような気持ち、得もいわれぬ複雑な感情が湧きあがって、妄想を掻き立てられ、あらぬことをあれこれ想像する。焦がれる気持ちといえばいいのだろうか。エスカレートしたその想いが現実の壁を突き抜け、得体の知れぬcreatureを生み出すのである。いわゆる変態である。この本展は、現代を生きる芸術家たちの作品を通して、人間の心の中に宿る様々な変態の在り方を示そうとしている。予想以上に充実した企画展だった。

ビデオ作品が思いのほか多く、限られた時間の中で鑑賞するのは難しかったけれど、後日、時間をみつけて再訪できればと思う。とくに、楽しみにしていたMatthew Barneyの『Cremaster 3』をさわりだけしか観られなかったのは残念だった。あと、高木正勝は予想以上の出来、さらに発見だったのはLee Bulで、彼女の、人体の神経系モデルのような、シャンデリアのようなオブジェクトには心惹かれた。今、変態は人智を超える世界の住人だけではなく、急速に発展を果たし、身体に侵入せんとする科学技術、人智の先端領域とも交わろうとしている。

存亡の危機。揺らぐ境界線。人は存在の危機を感じるほどの外部の存在を意識するとき、それに対し、拒絶、攻撃や無視など様々な態度をとるけれど、敢えて交わることによりみえてくるもの、得られる感覚もあると思う。畏れるばかりでなく、その闇の中へダイブすること、生をより豊かにするために、未知の世界に視点を移し、人間界を覗き直してみるのもいいかもしれない。

***

『生はチャームであるべきである。魅惑であり、魔術であり、謎であり、歓びであるべきである。今日のアートには、そのことを人々に告げ知らせる力が、まだ存分に残されているのではないか。』(中沢新一/公式カタログp.14)
posted by Ken-U at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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