2006年11月14日

高潔な神の導きによって

BS世界のドキュメンタリー
『アメリカ 神の理念を政治に 〜キリスト教保守派の学生たち〜』

米バージニア州に創設されたパトリック・ヘンリー大学で学ぶ学生たちの姿を追う。

jesus_christ00.jpg2000年に創設されたパトリック・ヘンリー大学は、キリスト教福音派の教義に基づく厳格な指導により、政府機関で働くための優れた人材の育成に力を注いでいる。創設当初は90人に満たなかった学生数は、その後わずか5年で300人を超える規模にまで増加し、また、卒業生をホワイトハウスや連邦議会議事堂などの政府機関に輩出するまでに急成長を遂げた。この大学の創設者であるマイケル・ファリス氏は、教育現場におけるモラル低下を問題視し、全米におけるホームスクール運動を推し進めた実力者で、彼を支持するキリスト教福音派の援助によってこの大学を設立するに至った。ファリス氏は、パトリック・ヘンリー大学をハーバードやイエールなどに並ぶアメリカを代表するエリート校に育て上げようとしている。

このパトリック・ヘンリー大学で学ぶ「エリート」の卵たちは、高潔な主の導きにより純粋培養される。この大学の新入生は皆ホームスクールの出身で、大学に入学するまで学校という場を経験したことがない。さらに入学時には、アルコール、煙草、薬物、そしてポルノなどの性的なものの禁止、また、結婚までの性交の禁止などを謳う誓約書と倫理規定書にサインをさせられる。彼らは徹底した禁欲主義による無菌状態の中で、ただひたすら勉学に励んで政府の要職を目指すのだ。

さらに、誓約書にサインさせられるのは生徒だけではない。教員もまた、教職に就く際に生徒とは別の誓約書にサインしなければならないのだ。その内容は、例えば、生物学の講義の中で天地創造説を教えなければならない、といったものだ。彼らによると、地球の地層は長い歳月をかけて積み上がったものではなく、創世記の洪水によって短期間のうちに形づくられたものだという。また、別の講義では、国際競争社会に平等という概念は必要なく、この世界の外部であるアフリカやアジア人はそれを求めてはいない、などという差別的な内容が公然と教えられており、そして生徒たちは皆、神の名のもとにこれらの講義を無批判に受け入れている。このナイーヴな若者たちは、それでも政府機関の保守派から高い評価を得ており、在学中の研修を経て、そのまま正規の職員となるケースもあるのだという。

*****

このパトリック・ヘンリー大学の生徒たちは神を祝福するために歌をうたうのだが、その高揚した顔を眺めていると気持ちが悪くなる。全米で100万世帯ほどに広がっているらしいホームスクールを基盤とするキリスト教福音派の気味の悪さは、わが国の与党である公明党のそれを凌駕している。この気持ち悪さの背景には、暴力などによる公立校の荒廃があるのだろう。


posted by Ken-U at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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