なぜかチェックしていたので、録画しておいた「永遠と一日」を観た。テオ・アンゲロプロス監督の98年の作品。ヨーロッパの巨匠にありがちな、「孤独を抱える芸術家なわたし」を描いた作品。古めかしさも感じてしまうし、これがパルム・ドールを獲ったというのは意外。功労賞的な意味合いかな。
*****

この退屈になってしまいがちな物語を救っているのが、ギリシャ系アルバニア難民の少年の存在だと思う。アレクサンドレは、ある事件から彼を救い出す。それは少年に対する優しさというより、孤独で居場所のない自分自身を、難民として生きる少年の姿の上に重ねてしまったからだろう。確かに芸術家と難民の間には、共通するなにかがあるのかもしれない。
最初は少年を故郷に返そうとするアレクサンドロも、やがて少年を手放すことができなくなってしまう。死を目前にして、彼にはもうほかに何も残されていないからだ。彼と少年は、どこにいようが一生よそ者であり続けなければならない。
*****
脳科学的には、あまり創造的な作品ではないってことになるな。まあ非科学的にもそうだろう。しかし老いてしまうということの意味を、ぼくはまだ理解しているわけではない。わけもなく、首を吊ってしまったジャック・マイヨールのことなんかを連想してしまう。自由に生きるってことはたいへんなことだな。好き好んでやることじゃない。
久しぶりにお邪魔します。この映画なぜか好きなんですよね。ヨーロッパ映画らしくバスのシーンとか解釈が難しくて困っちゃうんですが。回想シーンでも奥さんは若いのに本人は年老いたままで、過去に生きる男というのが孤独を感じさせます。
退屈なのに何がいいのかな、音楽が良すぎたせいかも。CD持ってるくらいに音楽が気に入ってます。
この映画に対するぼくの意見は否定的に読めるかもしれません。というか、そういうつもりで書いているんですが、そう割り切れないなにかがこの作品にはあるような気がしています。それがなにかということは、数十年後に生きていたらわかるというか、今はわかっててもわからないふりをするしかないというか...
バスのシーンの解釈は難しいですね。特に最後の方。黒い傘を持つ男が横切ったり、黄色い服を着た自転車の男たちがバスの後を追ったり。そのあたりも含めて掴めてません。
いつのまにか、この映画にチェックをいれていた自分がいるんですよね。そして好きなタイプの映画じゃないことがわかっていながら、最後まで観るしかなかったというか。そういう映画でした。
まずいですよ。
TB返しありがとうございます!!
映画について語ったりなんか出来たら、嬉しいです♪
映画や美術がお好きなんですね。ぜひ映画について語っちゃってください。
いいですか。。。?
褒めていただいてありがとうございます。それにリンクまで。重ねてありがとうございます。