2007年09月17日

「private / public」 音魂の響き

Takagi Masakatsu / 『Private / Public』

2006年に行われたソロコンサートを記録したライヴアルバム。

private_public.jpgkaitoの『Contact to the Spirits』を聴いたときに、そのタイトルから「音の精霊」という言葉が脳裏をよぎったのだけれど、このアルバムからも同じようなイメージを感じとることができた。ただし、本作から流れ出る音楽は規則的なビートに裏打ちされているわけではなく、ハウスであるとか、その他諸々のクラブ・ミュージックの文脈からは大きく逸脱するもので、ビートやメロディーから開放された音の響きそのものが持つ力に接近するというか、音楽が本来持つのであろう呪術的な怖さの方に接近していくような感覚を抱かせる。有機的な柔らかさを持ちながらも、いわゆる癒し系のゆるい音とは違うある種の緊張感を持った音のつらなりがそこに感じられる。

このアルバムに対するぼくの印象は、高木正勝本人の言葉から強く影響を受けている。先日のイベントの中で(過去記事)、エレクトロニカとの出会いによって鍵盤から自由になれたという話や、音楽とは突き詰めれば綺麗なメロディーなどではなく、音そのものの響き、例えば、かつて教会で奏でられた聖歌であったり、あるいは古代の洞窟の奥底で鳴らされた音の塊であったり、音魂(オトダマ)とでも呼べるような互いに響きあう音とそのつらなり、それこそが音楽が音楽であるための根源なのではないか、という話などを聞き、それがいまも深く記憶に刻まれているのだ。彼の言葉はとても印象深く、ぴんとくるものがあった。

流れる音楽の魅力。それはいったいどこからやってきて、わたしの脳にどのような影響を与え、そしてどこへと消え去っていくのだろうか。


posted by Ken-U at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映像・音楽(高木正勝) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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