TAKAGI MASAKATSU / 『BLOOMY GIRLS』 (BOOK+DVD / BLUEMARK)
高木正勝の映像を眺めていると、人間の肉体が細かな粒子でできていることや、その粒子がこのからだの外の世界を成すものと同じであることを思い起こす。この肉体が粉々に解体され、その肉のかけらが色とりどりの細かな粒子となって、境界を越え、それまで隔てられていた外の世界と交わる。わたしが消えてなくなりこの世界すべてと繋がることによってはじめて得ることのできる恍惚。ぼくはその官能的な映像を眺めながら思わずうっとりとしてしまう。
この『BLOOMY GIRLS』は、DVDに収録された映像4作品と、その作品群の一部を切り取ることによって編まれたアートブックによって構成される。ぼくは、自分の誕生日を記念して本作を購入した。人生の折り返し地点をまわり、死の暗闇に向かって歩み始めることではじめて視界に入る景色がある。それに気づいたのはいつ頃だったのだろう。
posted by Ken-U at 19:10|
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映像・音楽(高木正勝)
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