2010年04月06日

花見

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4月某日(木) 晴れ

夜、退職祝いと称する花見。目黒川沿いにて。

まず、自然派レストランで食事、ひとしきりわいわいやった後、川沿いをそぞろ歩いた。この日は久し振りに暖かく、満開で、最高の花見日和だと感じた。

この日は、いわゆるアラフォー女性ふたりと三人会。うちひとりはすでに無職で、日々ぶらぶらしている。買い物とか。お食事とか。なので、そろそろ何か始めればいいのに、という話で盛り上がった。サウダージ・ブックスのことを僕が話したり、彼女を呑みに誘うという某小説家のツイートが面白い、むしろ小説よりよいのでは、みたいなことを話した。美女は、階層を跳び越えていろいろな人とつきあう。

*****

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4月某日(土) 曇り一時雨

昼から、また目黒川。

待ち合わせて、川沿いを巡礼者の如くそぞろ歩いた。昼の桜は、夜とは違う表情を持つ。途中、スパークリング・ワイン(ロゼ)。ほろ酔い、歩いていると昔の上司と遭遇。辞めて以来だった。挨拶。どうですか?と訊くと、たいへんだよと応えた。それから、あいかわらずやなあ、と言われた。お互い様。でも、偶然の悪戯に頬が緩む。酒がまわる。腹がへってくる。

この日は、アラフォー少し手前の女性二人と三人会。中目黒駅を抜け、ガード近くの自然派カフェでランチ。転職のこととか、ツイッター始めろとか言われて、あとなにを話しただろう?で、ひとり抜ける。

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フセイン・チャラヤン展をみて、常設展のエルネスト・ネトのところで横になり弛緩していると、まだ池尻にいますとメールがあったので、池尻で下車して再合流。カフェでケーキセットをいただきながら、ツイッターがどうとか、今晩のパーティーに行くとか行かないとか、少し引き、傍観者となってへらへら。

パーティーでひとり抜け、ふたりでまたそぞろ歩く。で、駅も越え、桜が途切れたところで食事。フランス風のカジュアルなレストラン。店の男女の愛想が悪し。でも食べて、呑んで。

*****

4月某日 (火) 晴れ

今日。GAIA食堂にてランチ。暖かかったのでそのまま下北まで歩く。途中、桜がきれいだった。

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チロが死んだ。

その後、気流舎にてお茶。奄美のこと。来週のイベントのことなどいろいろ話す。これを機に、ちょこちょこ遊びに行きたい。


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2010年03月28日

旅、日帰り

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3月26日(金) 晴れ 昼ごろにわか雨

朝、日帰りなので荷仕度もなく、いつものように駅へ。渋谷で乗り換え、品川、さらに乗り換えてのぞみに乗る。移動。

のぞみを降り、乗り換え、さらに移動して、下車。徒歩にて現地へ向かう。

現地。店に入り、販売スタッフと挨拶。やっとお会いできましたね。少し話し、一緒に遅めのランチ。入店して分からないこと、その他こまかな事務作業のことなどを確認して、雑談して、探りを入れられ、安易に派遣契約を打ち切ることはしません、安心して前向きに働いてください、と伝える。あと、これは皆で育てるブランドなのでよろしくお願いします、と。

店に戻る。マネージャーが食事休憩だというので挨拶をあきらめ、販売スタッフに声を掛け、別れ。駅へと向かう。

言い出すことができなかった。彼女には、自分が辞めることをこの機会に話そうと思っていたけれど、前向きな話しの流れを断ち切ることができず、来月には新体制になる予定ですと伝えるのがせいいっぱいで、逃げてしまったのだ。俺は逃げる。皆を見殺しにしながら。

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車窓の向こうには夕空。雲が綺麗だった。暗くなるまで雲ばかり眺めた。
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2010年03月13日

旅のいろいろ

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3月2日(火) 曇り?

未明、起床。慣れた手さばきで仕度をする。またなにか忘れてしまうのだろうなあ、なんて思いながら。

出発。すでに周囲は明るい。地下鉄。バス。空港でなにか食べただろうか、おそらくなにも食べずに搭乗。軽食、軽飲。ときどき読書、映画。そして睡眠。

経由地、着。ラウンジに入る。今月いっぱいでこのラウンジ権を喪失してしまう。不便だけれど、なきゃないでいいか、とも思う。

搭乗。現地着。両替。タクシー。ホテルにてチェックイン。軽く荷解きした後、ホテル内にてリゾットと赤ワイン。入浴後、就寝。

*****

3月3日(水) 曇りのち雨

朝、地下鉄にて現地。皆と挨拶。マルティニから、現地の流儀で挨拶せよといわれ、彼女の両頬にキス。今回の新顔はアレッサンドラ。それから資料の受け取り、準備、サンプルの確認。エミリオがすぐいじりに来て、現地語は?と訊くので、ノーというと、なんじゃそりゃ、って大げさな仕草で、ブロブレームって言いながらどこかへ姿をくらます。

昼食後、周囲と馴染みながら、サンプルの撮影。と、ここで変化に気づく。バーにあれがないのだ。うまいプロセッコが見当たらないのである。その後、新たに契約したというプレス・スタッフと挨拶。彼が撮影したというフォトはそれなり。

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職場の空気を掴んだのち、挨拶をして、やや早めに退席。ホテルに戻る前に、あるショップを訪問。しかしなにも買わずに退散。夕食はいつものトラットリアにて。リゾットにトマトとルッコラのサラダを添える。もちろん赤ワインも。

*****

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3月4日(木) 雨

午前、例のフリーランスを交えてミーティング。その後はヒマ。なので、会場内を幾度となく徘徊する。午後、接客。スムースに事が進む。で、またヒマ。徘徊。夕刻、フリーランスが来場。ふたりで別会場を徘徊。タダ酒にありつく。

夜は社長、ミレーラと四人で夕食。雰囲気のよい店で、和気藹々。価値のわからんあの会社はどうでもいい。が、おまえとは仕事を続けたい、モルト・ブラボー。と、信頼を伝えられるが、嬉しくもあり、苦しくもあり。なので、先はどうなるかわからないと言ったが、フリーランスの策略か、思うようには伝わらず。

*****

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3月5日(金) 曇りのち晴れ

午前、商談。これは軽く親睦を深める感じ。で、昼食。午後はアレッサンドラ、ミレーラと雑談。アレッサンドラ、彼女は普段、損保の仕事をしているらしく、それぞれの事故の詳細をみているとファニーだ、という。でもその滑稽さが人生そのものなのだよと、思うだけで口には出さず。

夜はピッツェリアでひとり軽く。その後、ホテルにてオーダーのまとめ、深夜一時過ぎまで。で、就寝。

*****

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3月6日(土) 晴れ

午前、エミリオとじゃれながら時間を潰す。で、昼食後、まとめたオーダーをシートに記す。黙々と。と、ちょうど終わる頃にマルティナが近寄ってきてプロフェッショナールと声をかけてくれる。その後、互いの情報を交換。で、頃合いを見計らってミレーラに書類を渡し、いろいろ確認をして、しばらくぶらぶらして、社長に挨拶、皆に挨拶、最後はマルティナ、アレッサンドラにキスをして、ああ馴染んでしまっているよなあ、なんて思いながら会場を後にする。が、不思議と心は落ち着いている。

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その後、会社から来ている別のふたり組みと合流。がしかし、なんだこのコらは。道路をふらふら歩いてトラムの妨害をするし、車が来ているのに渡ろうとする。何度「危ない!」と叫んだことか。で、挨拶なしに店に入ったかと思うと手当たり次第に商品を手に取り、ああだこうだして、その姿はまるで猿の如く。仕舞いに店の者から注意され、なぜか俺を睨んで退散する。もうわけがわからず、疲れていたし、ふたりから離れてひとり休息、プロセッコ。すると携帯が鳴り、一方的に文句を言われ、もうホテルに帰ります、と宣言され、終結。

夜、別のトラットリアで夕食。夜ここをつかうのは初めてだったのだが、まずまずではないか。で、ひとりでボンゴレ・ビアンコを食べていると、隣のユマ・サーマン崩れが、グッド?って訊くので、グッド、と応え、すると、私も同じものを食べたの、という。はいそうですかって感じで、でもとりあえず微笑み、向こうも微笑んで、たしかに、ここのボンゴレはまずまずであった。

*****

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3月7日(日) 晴れ

朝、仕度をして朝食。チェックアウト。タクシーにて空港まで。ゲート前で取引先のバイヤーとばったり。いろいろ話す。奴の言葉は常に皮肉交じり。移動。着。荷物を受け取り、タクシー乗り場に出ると、厳寒。凍りつき、身震いもできず。褐色の男に「ドゥ・ミニッツ」といわれるが、思いのほか早く車が来て助かる。移動。チェックイン。すると、今晩の部屋はひと晩かぎりですといわれ、入ってみるとこれが。ロフトつきのスイート的なつくりで、贅沢な気分に浸る。で、その片隅でちまちまと業務。

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夜は夕食会。声を掛けてもらえるありがたさ。で、ホテルに戻り、上階のバスルームにて入浴。就寝も上階にて。自問自答の反復。

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3月8日(月) 晴れ

午前、展示会まわり。知人ふたりと立ち話をする。これは前週にも言われていたし、接客しながら自分でも感じたことなのだけれど、アジア人客の中で、中国系が増加しているのは当然として、それ以外で目立ったのは韓国人であった。彼の国の勢いを感じた。

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夜は友人宅を訪ねる。で、夕食をご馳走になる。昨秋に生まれたばかりの赤ちゃんと対面したのだけれど、号泣。人見知りが激しいのだという。あと、近況の交換と、私的な転機の報告をする。

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3月9日(火) 晴れ

朝、例の件で最終オファーありとエージェントからメールが届いていた。年俸等、大まかな条件もつけて。周囲に報告のメールを入れる。

午前、ポンピドゥではない方の現代美術館へ。常設展は無料。で、収穫多し。午後はショップまわり。買い物も少々。

夜は、前回いってみようと思っていた路地裏の店にいってみたのだけれど、店内が閑散としていて、で、予定を変え、例の店で晩餐。アスパラガスの前菜と、牛のソテー。この牛が思いのほかおいしくて幸せな気分になる。

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3月10日(水) 晴れ

朝、チェックアウト。そのまま荷物を預け、久し振りのルーブル。二時間弱。で、ランチであの路地裏まで行ってみると中はぎゅうぎゅう。あきらめ、少し歩いてラーメン屋でマーボー丼とビール。食後、荷物を受け取りタクシー。空港。ラウンジ。強風でスケジュールが乱れたがどうにか帰国。しかしDETAXはできずじまい。さらに、空港でなにも買えなかったので土産が足りず。さて、どうしようか。

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今回の旅で感じたのは、自国の購買力の弱化。経済的影響力、存在感の低下であった。そうした中で、私はいま、職を変えようとしている。これも流れなのだろうか。この転機に、私はなにをしようとしているのだろう。

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機内でみた映画:『WHERE THE WILD THINGS ARE』

機内で読んだ本:『陰影礼賛』
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2010年02月20日

旅の記録 面接+

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2月18日(木) 雪のち曇り、ときどき晴れ

朝、ベッドを出て、カーテンを開けると雪。まだ降り続いている。カーリングを横目でみながら洗顔、荷造り、着替え。足元はスニーカーにして、品川へと向かう。

新幹線は15分ほど遅れて出発。途中、スピードを上げたのだろう、現地には5分ほどの遅れで到着した。天気も回復。で、駅を出て昼食の場所を探すもよくわからず、そのまま駅に隣接したデパートの上でカツを食す。どこか貧しさを感じる。

食後、少しぶらついて指定されたホテルのロビーで落ち合い、そのままラウンジへ。眼前には候補者、その隣に派遣会社の営業が座る。面接は半時間ほど。続いて二人目、同じく半時間。その後、営業と簡単な確認。おそらく最初の候補者でいくであろうことを伝える。二人目は自信がなさそうだったし、難しいと思う。

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営業と別れ、半時間ほど電車に揺られて移動。新規オープンする取引先の店舗をみにいく。駅を出て、10分ほど歩くと現地。ウィンドウの中はまだ養生に覆われているけれど、外観、ロケーションともに素晴らしい。あとはスタッフと数字だけだなあなんて思いながら駅周辺まで戻り、徘徊。中華街にて、豚ばら肉の如きをトロトロにして甘辛きタレを塗りつけ、饅頭の皮の如き白いフワフワではさんだものを食す。激しく熱い。が、うまい。がしかし、胃拡張気味の腹には足りず。

電車で戻り、地下鉄に乗り換え、ホテル近くの繁華街へ。簡単にリサーチをして、ホテルに向かおうとするが、着信あり。コールバックすると、先ほどの営業からで、あの第一候補が正社員の内定を受けたとかで辞退したいとこのこと。もちろん、それは彼女の勝手である。嘘か本当かはわからないけれど、もし正社員雇用の話があるのなら、それがいいに決まっているし。とはいえ、少し落胆。油断していたのだ。なにか、自分自身が否定されているような気がしてきた。気持ちを切り替えなければ。明日、さらにもうひとり紹介してくれるというのでそれを了承し、歩く。チェックイン。すぐに外出。半時間ほど徘徊し、ビオワインを揃えているというバールにて夕食をとることに決める。スパークリング、赤、赤と飲み、ポテトとベーコンのホクホクのやつ、鴨のコンフィを食す。さらに、胃拡張気味なので、ラーメン屋でラーメンと小ライスでとどめ。満腹。部屋に戻り、持参したDVDを再生、録画しておいたポルト対アーセナルをみながらウトウト。夜はふけゆく。

*****

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2月19日(金) 晴れときどき曇り

遅めの起床。カーリングを眺めながら仕度。チェックアウト。無料サービスの朝食をとる。で、徒歩にて地下鉄ひと駅ぶんを移動。リサーチ。徒歩にて戻り、食事処を探索。朝食からわずか一時間半後、早めの昼食は天丼と饂飩のセット。ボリュームあり。

地下鉄にて移動。昨日と同じホテルのロビーへ。落ち合い、ラウンジ。面接はやはり半時間ほど。隠し玉なのだろうか、急遽の紹介のわりにはよい人材であった。たぶん、この人にお願いすることになるだろう。

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徒歩にて移動。某派遣会社のオフィスへ。応接室的な部屋で挨拶し、早速ひとり目の面接。少し間をおき、二人目。この二人目の彼女は、経験は足りないのだけれど、気持ちが強く、情熱があり、ポテンシャルは感じる。機会があれば一緒に仕事をしたいタイプなのだけれど、枠はひとつ。つまり、辞退した一人を除くと、二日間で面接した四人のうち三人には断りをいれなければならないのだ。悩ましいところである。

駅まで徒歩。移動。

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途中下車。交渉中の取引先の店舗を覗く。と、マネージャーとばったり。動揺を隠し、挨拶。商況などについて軽く。もしよろしければミラノでもまた。

すぐに乗車。ビールを一缶。ささやかな打ち上げ。帰京。そのままいつもの店に向かい、三人で飲む。深夜二時過ぎまで。一人が不倫地獄から抜け出しつつあるせいか、トークも暖かい感じで盛り上がった。味噌ソムリエという新たなジャンルを提案した。で、帰りはタクシー。で、聞くと、東京オリンピック前から運転手をしている超ベテランだという。しかも、四半世紀以上にわたり、無事故、無違反だというのだ。滑らかなハンドル捌き。驚愕のプロフェッショナリズム。でも、もうタクシードライバーに景気はわからないですよ、と言われた。道路にトラックがいっぱい走ってたら好景気です、と。なるほど。
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2010年02月14日

突然の帰郷

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2月8日(月) 曇り時々雨

妹の死の知らせを聞いたのは、たしか、朝の七時頃だったと思う。

いったん出社。上層部に事情を話し、一時間ほど仕事をして、この日から忌引き扱いで帰宅をする。で、PCにてフライト予約。荷造り。近くで昼食をとり、携帯から一件のみ業務連絡をして、羽田へ。

着陸。トイレをすませ、ネクタイを締め、荷物を受けとって、伯父に連絡をとる。通夜が翌日になることを聞き、ネクタイをほどきながらバス乗り場へ。移動。すぐに雨が降り出し、車の窓を濡らす。

車窓から雨が上がっていることを確認して、降車。そこから徒歩にて斎場まで。すでに日は落ちており、周囲は暗い。車の往来も寂しく感じられる。また携帯を取り出し、歩きながら、金曜の面接をキャンセルするかもしれない、とエージェントに伝える。あちらは困惑の様子。

到着。部屋の扉を開ける。当然のことながら、大方の親族はすでに座敷に腰を下ろしており、誰かに促され、横たわっている妹と対面。眠っているようにみえる。焼香。その後、トイレに入り、そこに居合わせた伯父に死因を訊く。部屋に戻り、座敷に上がり込んで、久しぶりに顔を合わす面々と挨拶を交わす。約二十年ぶりになる従姉も入ってくる。微笑。言葉を交わしてしていると、和尚の来場。読経。泣いたり、泣かなかったり。

深夜、座敷の脇で母が眠り、弟と言葉を交わしながら朝まで。にぎり飯を食いながら、線香の煙を気にしながら。

*****

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2月9日(火) 曇り時々雨

朝、窓から駐車場を見下ろすと、雨が上がっている。しばらくして祭壇の模様替えが始まり、湯灌。約二時間ほどをかけて、妹の身体を清める。心なしか、表情がより穏やかにみえる。お気に入りだったという和服を着せ、化粧もほどこしてもらう。そして納棺。終始手際がよく、感謝の気持ちがこみ上げてきて、最後、深々と頭を下げる。

留守番の後、買ってきてくれた弁当を掻き込む。死因について、諸々から聞いた情報を元に、母と話す。いわゆる突然死だったのだ。だから明確な死因がない。それがいろいろな詮索を誘発して、母の心を乱していた。自死だとか、仕舞いには先週死んだ叔父が連れていったとか。そんなことは、もういい。

通夜。事前の説明を聞き、和尚の来場。読経。泣いたり、泣かなかったり。その後、親族と昔話など。笑いもあり。従姉は旦那と来場していた。読経後は終始にぎやかで、涙あり、笑いありで、逞しい親族に救われる思い。

途中、傘を持って退席すると雨が上がっている。で、そのまま叔父の家に向かい、焼香。先週、その伯父が亡くなっていたのだが、葬儀にも出られず、でもこうして遺影を前に手を合わせることができて、少し安堵。ひとしきり会話をして礼をいい、斎場へと戻る。部屋はすでに閑散としていた。着替えて、弟と話しながら夜を過ごす。リスボン旅行のこととか、話した。

*****

2月10日(水) 雨時々曇り

早朝、物音で目が醒める。いつのまにか眠っていたようだ。みると、母が片付け、洗い物などうろうろとしている。寝ているように言っても、落ち着かないのだろう、おろおろとするばかりで少しいらつく。少しして、着替え。

出棺。このとき遺影を抱えて歩いたのだけれど、今回、これが一番つらかった。妹はたしかに死んだのだ、という重い現実をここで最後に思い知らされたように思う。

火葬。待合室に入りしばらくは喋れず。しかし、少しして、従姉、叔母、母と話しているうちに心ほぐれる。また笑った。うれしかったのは、従姉が、すっかり忘れていた幼少時のエピソードを披露してくれたことで、そんなことまで憶えててくれたのか、と思わず顔がほころぶ。

寺へ移動。葬儀。気分はすでに落ち着いている。その後、皆で弁当。やはり賑やかである。祖父のときに、お骨を忘れて帰ろうとしたことなどを思い出して、皆で笑った。そして食べながら、去年に亡くなった別の叔父と諸々のご先祖のために、墓を参ろうと話す。

玄関に戻ると雨。みな嘆いている。しかしここで、ああ墓参りしようと思ったのに、と言った途端、雨が上がる。みな驚きの声。で、今のうちにと花を取り、小走りに墓へ向かい、花を沿え、線香をあげて、合掌。ここで小さな奇跡を感じた。

その後、自宅に戻り、仏壇のまわりに妹の骨壷、遺影、花などを据える。そのうち従兄弟も集まり、叔母もリハビリのあとに駈け付けてくれて、食事会。久しぶりに顔をあわせることもあって、これが大騒ぎ。賑やかに過ごすことができ、救われる思い。そして切れかけていた縁が、ここで修復されたのだ。

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2月11日(木) 雨時々曇り

昼、従姉が旦那と娘を連れて挨拶に来てくれる。その後、弟と伯父(長男)のところへ。礼をいい、お茶をご馳走になって、犬と戯る。それからスーパーで食料を買い込み、帰宅。簡単に夕食をすませる。この日からTVも点ける。で、会話は深夜まで続き、就寝。

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2月12日(金) 曇り時々雨

昼前に起床。昼食後、弟が先に戻る。見送り、母と仏具屋へ。それからスーパー、デパートとまわり、帰宅。夕食。会話は朝方近くまで、そして就寝。

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2月13日(土) 雨のち曇り

昼に起床。朝方の雨が上がっている。すぐに荷造り、昼食。風が強い。小さな縁側にはバケツに花束が活けてあり、それにすだれがぶつかってこんこん音を鳴らし続けている。通夜のときに、従姉が、この世に漂う霊が風になると話していたのを思い起こした。俺はもうすぐ帰るのだよ。そして母と言葉を交わし、挨拶をして、駅のバスセンターへと向かった。

バスの中では、ずっと雲を眺めていた。

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空港。少しの土産と、自分のために明太子、さつま揚げを買い込み、搭乗。

着陸。寒そう。雨も降っている。いよいよ降られるのか、と覚悟しながら移動。がしかし、駅に着き、地上に出ると雨が上がっている。帰宅。夕食は生メカジキのソテー、プチトマトのソースを添えて。

*****

突然のことでやはり動揺もしたのだけれど、逞しい親族に支えられたこともあって、どうにか無事に妹を送ることができた。それに、送るための諸々の儀式もよい経験となった。数日をかけながら、非日常的空間の中で、少しずつ死を死として受け入れていくことができたような気がする。もちろん、まだ完全に受け入れることはできていないけれど、これも時間が解決してくれるだろう。

死は引き裂くが、同時に繋ぐのである。ということを、妹の死を通じで体感することができた。私は、妹が遺してくれた、与えてくれたこの関係を大切に生きていきたい。それがなによりの供養になるのだと信じて。
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2010年01月03日

初詣

また年が明けた。

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昼すぎ、ふと思い立って、うちから少し離れたうどん屋へ向かう。で、かき揚げうどんと京いなりのランチセットを注文。店が混んでいたせいか待たされたが、満腹になり満足する。

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店を出ると曇天。徒歩にて神社まで。人出は少ないが、絶えることはない。社殿までのぼり、無心で祈る。

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次、うちの近くまで戻り、寺へ。まず本堂を参る。

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続いて聖徳太子が祀られる御堂を参る。

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御堂からあたりを見渡す。向こうにみえる墓地は、放浪記で、夜中、林芙美子がさまよったあの墓地である。当時、彼女はその裏手にある長屋に住んでいたのだという。

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少し歩いてまた神社へ。ここには町の鎮守が祀られている。賽銭をいれ、手を合わせる。

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また歩く。門であるようなないような境を抜ける。

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ひっそりと佇む御不動様を参る。寂れている。周囲に人なし。

例年の如く、神社、寺社それぞれ二箇所、計四箇所を巡った。おそらく、今年は変化の年になるだろう。人生、いろいろあるけれど、これから訪れるであろう変化を善きものとしたい。
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2009年12月27日

旅の記録 帰郷編、そしてラストフライト

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12月18日(金) 曇り、ときどき晴れ、あるいは雪

席で、いつのまにか寝てしまっていて、気づくとうちの最寄り駅を通過してしまっている。見ると、あたりは薄暗い田園地帯。慌ててコートを着て、マフラーを巻きつけて、キャリーケースを転がしながら、出口へ。

幸運なことに、次の駅ですぐに折り返すことができた。で、目的地に到着。歩く。徒歩10分ほどの道程なのだが、途中でいきなり吹雪になり、折りたたみの傘を取りだしたり、差している間に雪まみれ。

到着。すぐに着替え、布団にからだ半分を滑り込ませて。しばらくすると叔母が訪ねてきて、実に、14年振りの再会。元気になっていて、ほっとする。かわらず、優しい人であった。よかった。で、なにも食べずに就寝。

*****

12月19日(土) ?

終日、屋内。常に半身は布団の中。昼は粥。夜、水炊きを少々。というか、それなりに食べる。深夜、母とサッカー観戦。

*****

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12月20日(日) 晴れ

起床。昼食はハンバーグ。食後、土産に買ってきた栗キンツバをひとつだけ分けてもらう。で、お茶をいただき、仕度をして、あっという間に出発。駅まで歩き、今回は電車で移動、乗り換えて空港まで。空港では、ぱぱっと買い物をした。

空路。機長からフライトの挨拶、説明。話が通常より丁寧ではないかと思っていたら、「私事で恐縮ですが…」と切り出され、つまり、これが彼のラストフライトなのだという。挨拶が終わると、機内に拍手が。しんみりして、思わず目頭をおさえる初老の男性もいた。しばらくして、窓外の富士山を見下ろす。

*****

到着。キャリーケースを受け取り、モノレール、電車などを乗り継いで自宅へ。M-1を横目で眺めながら、白飯と味噌汁、それに買ってきた無添加明太子、さつま揚げ、おまけに近所で買ってきた焼酎を添える。でも、やっぱりさつま揚げは鹿児島で買う方がよいと思う。

振り返ると、あれは食あたりだったと思うけれど、いろいろな情報を集めてみると、原因はたぶん、出発前夜のあの店にあるのではないかと思われる。相当きつかったけれど、そのおかげで週末は完全休養でき、顔面神経痛も治って、まずまずの旅であったともいえる。来年の旅は、いつ、どこへ、何をしに行くことになるのだろう。まったく見通しのきかない大不況の暮れ。
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2009年12月26日

旅の記録 仕事編

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12月17日(木) 曇り、ときどき晴れ、あるいは雪

午前、空路にて移動。昼前に着。バスに乗り換え、市内へ。昼食は牡蠣フライ。が、牡蠣がいまいち。小粒で、食感、旨味、とくにこれといった特徴が感じられず。軽く出鼻を挫かれる。

午後、取引先の近くにあるカフェにて商談。社長の話に耳を傾けるも、はなし弾まず。饒舌な社長が、なぜ?底の見えぬ不況のせいか、納める商品の力不足のせいなのか、それとも暮れの疲れ?いろいろ想いが巡り、会話の狭間に緊張する。俺も切られるのか?

社長いわく、来年は二番底かも、民主党にはマクロ経済のわかる人材がいない、甘辛ミックスが旬、など、新聞、雑誌の受け売りが目立った。

*****

急いでバスセンターに戻り、駅へ。窓口で訊き、新幹線口に行くはずのバスに乗ったのに、約束の地には向かわず、そこを素通り。あわてて降車し、キャリーケースを引きずってバス停ひとつぶんを戻り、乗車。目的地に辿り着くことの難しさを痛感する。

夕刻、到着。商談。前回よりよい待遇であった。店頭での立ち話だけではなく、オフィスに通され、コーヒーと菓子。談笑。マネージャー(オーナーの娘)が最近の若者(とくに男子)のノリの悪さを嘆く。と同時に、商品に関するアドヴァイスももらう。

商談後、友人と落ち合い、またお茶。互いの近況を交換する。彼女もたいへんそうだ。励ましたり、励まされたり、エネルギーも交換する。あと、土産も。

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比較的よい心持ちで、新幹線に乗り、移動。ホテルに着いたのは午後8時半ころであった。軽く荷解きをして、外出。で、居酒屋のカウンターにて夕食。牡蠣だとか、海の幸と地酒。店主(らしき若い男)がしきりに、東京の人は日本酒が好きなんですね、と言う。あと、屋台でラーメン、ついでに懐かしき豚バラの串焼きを2本。ホテルに戻り、ゆらゆらして、入浴、就寝。

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12月18日(金) 曇り、ときどき晴れ、あるいは雪

目覚めとともに、むかつき。二日酔いするほど酒を呑んだわけでもないのに、とベッドの中でもじもじする。やがて腹痛。トイレとベッドの往来、10時過ぎまで。

もう仕事どころではない。が、市場を見なければとうろうろ。合間に大型小売店のトイレ、あるいはカフェで休むが、座っていても辛い。横になりたい。

昼、うどん。これで胃腸の機能が回復すればと祈るが、駄目。またカフェにて休息。早めに業務を切り上げることを決意する。

ホテルでキャリーケースを受け取り、駅まで地下鉄にて移動。ホームでは立っていられず、キャリーケースに手をつきうずくまる。

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駅で乗り換え、席につくと、さっそく背もたれを倒して曇天を見上げる。この旅は、よい旅だったか、それとも悪い旅だったのか。思いながら、流れる景色を眺める。意識が遠のいてゆく。
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2009年12月14日

週末、臨時休業

12月12日(土) 曇り?

金曜日は深夜3時半頃まで阿呆のように呑んでいたので、土曜は午後に目が覚め、遅い昼食をとって(蕎麦)、また自宅に戻り、洗濯、音楽、で、スーパーにいっていろいろと買い込んで、TVで録画していたサッカーを垂れ流しながら、夕飯の支度。メニューは国産牛のソテー・バルサミコソース。つけあわせはジャガイモとニンジンを茹でたもの。

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12月13日(日) 曇り

昼、いつもの洋食屋でAランチ(オムレツとポークカツの盛り合わせ、洋食屋だから豚カツとは呼ばない)をすませ、そのまま散髪に向かった。が、シャッターが閉まっている。みると、ビラが。

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暮れのこんなときに、急な不幸だなんて。いったいなにがあったんだろう、なんて思いながら曇天を見あげる。

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週明けは、散髪もせぬままいろいろな人たちに会わなければならない。歩きながら、曇った気分のまま、いろいろなことを想う。

帰宅後、洗濯。少し片付け。音楽。夕飯は久しぶりに鰤大根をつくり、無添加のキムチをのせた小鉢を添えた。垂れ流していたサッカーは面白くなかったけれど、料理はまずまずの出来であった。

書き留めなくてはならないことがずいぶんと溜まっている。忘れないよう、ここに書き出しておく。

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Mi-Mix Hiroshi Watanabe、10年1着xmusuburi、ドリーム・オブ・ライフ、きりぎりす、権現の踊り子、扉をたたく人、伊島薫、空気人形、チベット展、ファッションから名画を読む、ラグジュアリー展、レベッカ・ホルン展、tribute to the sun。

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このひと月で二度、阿佐ヶ谷で呑んだ。一度目は終電で帰ったけれど、二度目は朝まで。中央線沿線の魅力を垣間見る遠征となった。どちらも楽しかったけれど、さすがに朝帰りで一時間近くの移動はつらい。生きていると、いろいろなことに巡りあう。好くも、悪くも。
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2009年12月09日

ハケン #3

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Oさんの体調が思わしくないことを知ったのは、僕がクビを言い渡した次の週か、その翌週だったと思う。店に連絡を入れたときに、Sさんがそれを報告してくれたのだ。Sさんは、Oさんの相方である。彼女がいうには、Oさんはしばらく前から体調がすぐれないようで、立っているだけでも辛いときがあるらしく、いつだったか、この前はとうとう耐えられずに早退してまったらしい。そうSさんは責めるように言った。あれ以来、Oさんとは何度となく電話で話していたけれど、とくに変わった様子はなかった。彼女はあくまでも気丈に振舞っていた。が、それは彼女の強がりだったのかもしれない。

翌日、店に向かった。地下鉄の中ではなにも考えず、沈殿する澱を眺め続けた。そして改札を抜け、いつものように電器店の中を通り抜けつつエスカレータをのぼる。外に出てガードをくぐると、そこから歩いて十分もかからないうちに店に着いた。

中に入り、マネージャーに会釈をして、Oさんに声を掛けた。そして、ふたりでいつものように裏から地下に降りて、ミーティングの場所を確保する。そこは、売り場と倉庫をつなぐ通路にもならないくらいの狭いスペースで、いつもはそこで折りたたみ式の椅子をつかったり、それが見当たらないときは立ったままで彼女とミーティングをするのだった。このときは、立ったまま彼女の体調を訊いた。

彼女は妊娠していた。それが判ったのは数日前だという。やや脱力し、彼女におめでとうと言いながら、正直、少しほっとした。つまり、彼女の体調不良は僕のせいではなかったのだ。

とはいえ、僕が彼女のクビを切ったことに変わりはない。これでわたしの罪が消えることはないのだ。

挨拶をすませて、複雑な気持ちを抱えたまま店を出る。歩きながら、ほっとする気持ちと、それを咎めるもうひとつの気持ちと。
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2009年10月09日

帰国 #2

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昨日、また帰国した。

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10月1日(木) 晴れ?

未明に起きてCLをライヴで観ながら仕度にとりかかる。で、地下鉄、バスと乗り継ぎ空港へ。チェックインをすませ、ちょっとだけラウンジに立ち寄って搭乗しようとすると、ビジネスにアップグレードしますとのささやきをうける。まんざらでもない。が、気分はやや抑鬱的な感じ。

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到着。荷受け。タクシーにてホテルまで。途中、またもや渋滞に巻き込まれる。

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ホテルにチェックイン。ここはほぼ常宿化しているプチホテルである。が、部屋が最悪。で、フロントの女性に交渉したら運よく最上階へ案内された。さっそく部屋を移り、窓を開けて空を眺める。欧州ではいろいろと交渉事が多い。とくに日本人は主張がないからという思惑もあるのだろう、このようなケースがままある。でも結果オーライ。軽く荷解きをしたあと、鼻歌を歌いだしそうな勢いで外に出て、オペラ付近を歩いた。途中、日本企業が営む某店がこの日オープンを果たしていて、その盛況ぶりに驚く。で、百貨店を軽く覗いたあと、親子丼とビール。そして入浴。うだうだの後、就寝。

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10月2日(金) 晴れ

朝、現場に向かう。すると、初対面の現地スタッフと対面。挨拶を交わし、まずこちらから名乗り、握手をする。さらに名刺を渡す。が、彼女はついに名乗らず...その後、本国社長とマダムが合流。挨拶を交わす。笑顔。終日業務。で、夕刻にシャンパンが一杯ずつ振る舞われる。終了前、彼女が先に帰るが、オーナー夫妻と挨拶を交わし、こちらには一瞥もせずそのまま行ってしまう。その後、入場手続きをしてくれた女性が近くを通りかかったのけれど、すれ違うときに微笑みかけてくれたにもかかわらず、その直前に視線を逸らした自分がいた。彼女はヘザー・グラハムを少し小柄にしたような風貌で、からから明るく笑い、身振りがやや大きく、弾むように歩く素敵な女性なのであった。がっかり。

退場前、例のフリーランスも合流し、ディナーへ。フリーランス、新しいアシスタントという女性と同行していたのだけれど、なんとなく、彼女とはなにもなさそう。で、ディナー、手違いもありメインで生肉(タルタル)食べるはめに。でも、おいしくたべることができた。

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10月3日(土) 晴れ

朝、まず彼女と挨拶を交わし、彼女の靴を褒める。終日業務。といっても、それほど忙しくもなく。夕刻にシャンパン。その後、彼女と「チャオ」の交換。時を同じくしてヘザー・グラハムも通りかかるが、素通り。

夜、前日のタルタルがもたれたこともあり、ラーメンと半チャーハンですます。麺が酷い。当初は、昨晩とは別の日本料理店、たとえばうどん屋で軽く食事をとろうと思ったのだけれど、長い行列に辟易し、で、妥協して歩き回った挙句に昨日と同じ料理店に舞い戻ってしまったのだ。ちなみに、この界隈に点在する日本料理店の客の半数以上は日本人ではなく、現地に住む人たちなので、時代も変わったなあなんて思う。

部屋に戻ったのち、体調を崩す。21時すぎから腹を壊す。私の内部のすべてが決壊した。で、断続的な発作に見舞われ、朝まで、ろくに眠れず。

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10月4日(日) 曇り時々晴れ

朝、なにも食べずに出勤。およそ12時間かけて排泄し尽くしたので、たぶん、胃腸にはなにも残ってない。でも、意地で立ち仕事をこなした。昼も、食べにいく振りだけして抜く。胃腸を休ませつつ、復調を図りつつ。誰にも気づかれないように。

午後、美女が訪れ、なにやら現地語でまくしたてる。英語でお願いします、と我々。で、説明を聞くと、仕事を探しているという。卒業後、見習いとして雇われ経験を積んできたけれど、正規にキャリアをスタートさせたいので求職しているというのだ。ひと通り話し終えた彼女はマダムにレジュメを渡し、丁寧に挨拶をして我々の場所を去っていった。僕は、よき時代の女優のような容姿の女性と握手ができたことがただ嬉しく、こちらで彼女と一緒に働く状況などを夢想。この様子を離れたところから眺めていた社長も、ベッラ、ベッラ、アンディアーモなど、まんざらでもない様子で、マダムはこの阿呆な男たちに呆れて笑っていた。展示会場にて求職活動。なかなかたいへんだと思うけれど、彼女であればすぐに仕事がみつかると予想。その後、業務を継続し、夕刻のシャンパンにて体調をみる。早くも復活の兆し。

夜、懲りずにラーメンと餃子。ほんとうはうどん、あるいは中国粥を食べたかったのだけれど、そこも長蛇の列、または店休で諦めざるをえなかった。もちろん、用心のために昨晩とは別の料理店で食べる。しかし麺が酷い。

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その後、路地を歩き、口直しにバール。ここが大当たりだった。路地裏で、こざっぱりしていて、バーカウンターにはやや薄めのジョージ・クルーニーがおり、そして常連客と思われる女性とほどよい距離で言葉を交わしていて、で、その声がまたよいのだ。英語も話せるし、BGMのジャズも、たとえばジャイルス・ピータースンの仏版みたいでとてもよかった。ちょっと亜流で、しかしムードがあり、店と路地に馴染みつつ独特の空気を醸し出している。で、タイムサービスのモヒート(これがまた少し亜流で、少し赤ワインが入っていたのだろうか、ぎゅっとしててたいへんにうまかった!)を呑み、町田康を読み、ゆらゆらして、そしてホテルへ。軽い食事もとれるようなので、次回、機会があったらここで夕食をとりたい。

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10月5日(月) 雨のち曇り。

朝一で別の展示会場をまわる。で、幾人かの知人、友人、取引先に会って言葉を交わす。昔、取引していた先の男は今や経営者で、彼に生後四ヶ月になる長男の画像を見せつけられ、予想外に時が過ぎる。親馬鹿に国境はないのだ。次回はディナーでも、とかまた言われて。画像、みてよかった。

昼前、職場に戻り、その後、業務。この日は最終日。なので、皆で後片付け。また彼女が少し先に帰るのだけれど、そのとき、「Ciao, Ken」と初めて名前を呼ばれる。あとでメール送るから、みたいな言葉も掛けてもらえた。ここまで四日かかった。その少しあと、例のヘザー・グラハムが通りかかり、微笑を交わす。

夜、この日は通りすがりのビストロに。外観が渋く、かつメニューにそそられてしまったのだ。が、案内されるまま店内奥に進むと中はガラガラ。自分以外は客が一組のみ。嫌な予感が脳裏によぎる。で、その後はすべてを現地語で進め、いろいろあり、食後にあっさり会計をたのむと、いろいろあって申し訳なかったのでデザートかドリンクをサービスします、みたいなことを現地語でたぶん言われたのだろう、で、「un cafe」と応えた。こんな異国人にも馬鹿丁寧で、生きていくのはいろいろたいへんなのだということを、ふと思い返した。

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10月6日(火) 雨のち曇り

この日はフリー。だが、またもやこの日が火曜であることに気づき、落胆。美術館、やってないじゃないか。念のためルーブルに向かうが案の定休みで、途方にくれる。で、思い直し、ぶらぶら歩きながら、小売店をリサーチしたりしつつ、昼、毎度立ち寄る界隈にてランチ。と、そこに友人とそのアシスタントが!で、合流して共に食事をとる。世間って狭いなあとつくづく思う。

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食後、ひとりでショップを巡る。かなり歩き回る。地下鉄もつかう。で、夕刻、買い物をしたらスイッチが入り、二時間あまりでいろいろ買い込む。

夜は例のビストロへ。ここは一人飯には完璧な店だと思う。高いのでそうしょっちゅうは行けないけれど、まず食事がうまい。ワインがうまい。で、ビオ系である。客層もよく、店の前方にはまるいバーカウンターがあるのだけれど、そこで飾らぬ常連客がああだこうだいいながらグラスで様々なワインを試している。まさに仏版『サイドウェイ』の世界。いつの日か、あのカウンターで彼らと一緒に呑めるようになりたい。

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10月7日(水) 曇り

起床後、荷造り。朝食。チェックアウト。その後、タクシーにて空港へ。途中、渋滞やらなにやら。

カウンターにてチェックイン。なにかと時間がかかる。その後、ラウンジでシャンパン。日本語に飢えているのだろうか、そこで新聞を二部抜く。で、搭乗。

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10月8日(木) 台風(?)のち晴れ

最後の一時間、機体がよく揺れた。荷受け、通関後、茶漬けを食べ、バス、地下鉄を乗り継ぎ我が部屋へ。洗濯。その他もろもろ。

出張に出るときはやや抑鬱的になったりするのだけれど、いざ向こうに行くと、いつの間にかすっかり気持ちが切り替わって、のびのびしている。あちらは人間関係がシンプルでよい。挨拶も普通にあるし、知らぬ同士でも笑顔で言葉を交わすことができる。通りすがりの客と微笑みあうこともしばしば。で、知らぬうちに自分の表情が和らいでいる。帰国を忘れそうになる。

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帰宅後、近くでゴーヤー・チャンプル定食。夜は自宅でパスタ。明日は、代休をとって会社を休むことにした。

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読了本: 『権現の踊り子』

機内の映画: 『Whatever Works』、『My Sister's Keeper』

英語か聞き取れないと、ウディ・アレンはつらい。地味な作品だったけれど、日本公開は大丈夫だろうか。
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2009年09月22日

帰国

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昨日、帰国。

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9月14日(月) 晴れ

いつもより少し早めに起床し、仕度。地下鉄、バスを乗り継いで空港へと向かう。が、なぜか気分はいまひとつ。数件のメール。うまくない蕎麦。出国。搭乗。今回は日航の直行便をつかう。機内で新聞を広げると、一面に日航資本提携の記事が。で、機内食も下落。

夕刻、空港着。タクシーにて市内のホテルへ。チェックイン。軽く荷解き。散歩がてら食事する場所を探すが、気分がやや抑鬱ぎみなせいかどこにも入る気がせず。結局、ホテルのさえないレストランでリゾット。味はまずまず。しかし赤のグラスワインは水のよう。で、部屋に戻り、入浴。その後、少しだらだらしてから就寝。

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9月15日(火) 雨

この日はリサーチと称して市内を歩き回る。が、あいにくの雨で足元はずぶ濡れ。でも歩き続ける。しかしこれといって面白いものもみつからず、おまけに取引先から携帯にたびたび連絡が入ったりで、しばしば立ち往生。ふたつの手で、傘と、バッグと、携帯と。

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ランチは水辺のピッツェリアで。その後、地下鉄にて移動。例のバールで白ワインをいただく。バールと太宰治のコントラスト。この店、仕組みがやはり面白くて、最初にカウンターで「ヴィーノ・ビアンコ」っていうと手際よくそれがでてきて、グラスを手にとりそのまま好きな場所でそれをいただくのだけれど、その間、金銭、伝票類のやりとりが無い。で、帰り際に会計用のカウンターにおもむき、「ヴィーノ・ビアンコ」って言って会計を済ますのだけれども、これもあくまで自己申告で、この曖昧さが心地よい。ワインも美味。でも、グラスで去年の5ユーロから7ユーロに。

夕食はいつものところで。スパゲティ・ポモドーロとズッキーニをソテーしてオイルまみれにたやつをいただく。味はまずまず。赤ワインはグラスで。これもまずまず。

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9月16日(水) 雨のち曇り

朝、まずブースで皆に挨拶。こちらでは、皆が普通に挨拶するので気分がよい。現地語も上達していると褒めてもらえた。まだ挨拶だけなのだけれど。午前はPCをつかって準備作業。軽食後、ゆらゆら。プロセッコで乾杯。

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三時過ぎ、会場を後にして別会場へ。古い邸宅をつかったスペシャル・プレゼンテーションなのだが、効果はいまひとつ。しばらくそこに留まり、社長に挨拶して退散。

会社から来ているほかの人たちと、例のフリーランスと合流して夕食。会社の人といると、リストランテが居酒屋のように感じられる。晩、寝付けず。

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9月17日(木) 雨のち曇り

終日、ブース内、その周辺の会場内ですごす。午前はひま。午後に二件の業務。で、あっという間に夕刻、挨拶をして、退散。その間、うまいプロセッコを二杯。

退散時、フリーランス合流。そのまま夕食に誘われ、フリットとパスタ。その後、ジェラート。で、食事中にフリーランスから意表を突く提案を受ける。ただ、その内容は驚嘆するものではなく、これまで自分で夢想していたものと同じであり、それを彼の提案というかたちで受けたことに意表を突かれてしまった。思惑の交差。ピンチはチャンス。チャンスはピンチ。

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9月18日(金) 晴れ

じつは、昔の取引先がこの展示会に復帰していた。社長自らがオーダーをとり、シートに書き込んでいて、その姿が強く印象に残る。あと、10年ほど前まで属していた会社の社長夫妻と出くわす。因縁。この日は終日ひま。ひま疲れ。

夕刻、そろそろ退散しようかなあなんて思っているところに、表彰のニュースが。で、皆で受賞を祝う打ち上げが始まる。その間、プロセッコを三杯。昼間はエミリオにそそのかされて二杯。計五杯。エミリオは、プロセッコを呑みたいときに必ず僕を道連れにする。僕が断らないことをもう見抜いているのだ。つくづく駄目な男である。

夕食はホテル近くのピッツェリアで軽く。夜間、部屋で業務。

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9月19日(土) 曇り

業務最終日。午前まとめ。午後、書類を渡して軽くミーティング。その間、プロセッコを四杯。

夕刻、またフリーランスが合流して、夕食に誘われ、食べて、呑んで、また例の提案について話す。肉屋で肉とドイツビール。どちらも美味。フリーランスもたいへんなご時世なのだと思われる。さて、どうしようか。

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9月20日(日) 晴れ

荷造り、朝食、チェックアウト。タクシーにて空港まで向かう。道中、いつのまにか気分が晴れている自分に気づく。運転手が親日家らしく、会話するときの声もやや弾んでいるように感じられる。この仕事に携わってもう三年目なのだけれど、取引先と確かな信頼関係を築けてなによりそれが嬉しい。ある時を境に、フリーランスの態度も豹変した。仕事の質、姿勢がなにより大切なのだとこの三年で確信した。忌野清志郎。遠い遠い国だけれども、自分の仕事を必要としてくれる人たちがここにいるのだ。

ヒースローにて乗り継ぎ。で、空港内のパブ的な店でサッカーをタダ見。なんと、マンチェスター・ダービーを中継していたのだ。僕以外にも、多数の馬鹿がなにも注文せず店内で立ち見している。が、店員もそれをあたりまえのことのように受け入れていて、これはよい姿勢だと感心した。で、さすが本場、シュートがわずかに外れるときのリアクションはまるでスタジアムのよう。場がじわじわ盛り上がってゆく。ユナイテッド、シティ、それぞれ一度ずつゴールシーンをみたけれど、シティの方が盛り上がった。うなだれるリオの姿にまた盛り上がったり。ここで僕はビールを注文。しかしその直後にユナイテッドが勝ち越し、場が「ちぇっ」って感じになってすぐに試合が終わり、人がぞろぞろと店から出てゆく。しかし、ビールは美味であった。

搭乗。爆睡。入国。メール。帰宅。荷解き。洗濯。近くの蕎麦屋で秋茄子と新生姜の揚げ出し、穴子天せいろ、日本酒を二杯いただく。せいろはおかわりを一枚。で、いつもと同じ分量であった。

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機内で観た映画: 「ハゲタカ」、「俺達に明日は無い」

「俺達…」は途中で切られる。「ハゲタカ」は本が練られていて面白いと思えるけれど、画が寂しく、展開も忙しいのであくまでもTVドラマ向けだと思う。

読了本: 「汚穢と禁忌」
posted by Ken-U at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常のひとコマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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