2007年04月20日

ALTON MILLER'S BEST SELECTION

ALTON MILLER / 『SELECTED WORKS』

selected_works01.jpgデトロイト・ディープハウス界を代表するALTON MILLERのシングル作をコンパイルしたコンピレーション・アルバム。

先日の『deep and sexy 4』(過去記事)よりもさらに"deep"で"sexy"なサウンドを堪能することのできるアルバムである。かつてのR&Bを彷彿とさせるALTON MILLER自身によるやや甘いヴォーカルと、ジャズ、ラテン、アフロなど多様なリズムを編みこんだキレのよいビートが絶妙にからみ合い、そして自在に変化しながら独特のグルーヴをかたちづくっている。

とくに、そのグルーヴの絶頂を迎える「Ain't no」(#6)の高揚感と、そこにのぼりつめるまでのヴォーカルとビートのからみ具合がよい。部屋で聴いていると脳が躍るし、フロアで回せば、きっと身体が勝手に踊りだしたりするのだろう。


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2007年03月30日

deep and sexy 4

Francois K. presents / 『deep and sexy 4 mixed by king britt』

deep_and_sexy4.jpgFrancois K.が主宰するWave MusicレーベルによるミックスCDシリーズ第4弾。コンパイル&ミックスを担当するのはKing Britt。

たしかに"deep"で"sexy"というこのシリーズのコンセプトに沿った音づくりはされているのだけれど、例えば、このシリーズの第1作(過去記事)と較べると、音の深みがずいぶんと違う。このアルバムは、どちらかというとあっさりとしたハウス・トラックによって構成されている。耳元をさらさらと流れていくような、いかにもカフェやなにかのショップのBGMになりそうなサウンドである。さすがにシリーズ4作目ともなると、コンセプトやサウンドの水準を維持することはできても、そこに新たなアクセントを加えることは難しくなるのではないだろうか。だから新鮮味が感じられないのかもしれない。そういえば、UNDERWATERの『EPISODE 5』もスルーしてしまった。

とはいえ、このソツのないサウンドは耳に心地よい。ここしばらくの間に何度となく繰り返し聴いた(というより流した)ような気がする。

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2007年02月12日

genesis

genesis.jpghiroshi watanabe / 『genesis』 (klikrecords)

hiroshi watanabe名義によるニューアルバム。彼のほかの名義、例えばkaitoの音と較べると、憂いというか影というか、彼の息子の名をとったkaitoとは別種の奥行きが感じられるサウンドである。ただし、影といっても必ずしも暗澹たるものではなく、その暗闇の先に未知の悦びが待ち受けているような、ある種の希望にも似たとても不思議な感情を湧き立たせる。それはちょうど、このアルバムのジャケットに映しこまれた写真ととてもよく似た感情である。光と闇が入り混じりながら、茜色の、この世のものとは思えない美しい光が生み出されて、地上を照らす。夜明け前にTCATからリムジンバスに乗り、首都高を走りながら朝焼けを眺めたときに、このアルバムのことを思い出した。ジャケットに描かれたこの情景は、朝焼けなのか、それとも夕焼けなのだろうか。ぼんやりと考えるうちに、睡魔に襲われ、そのどちらでもいいと思った。たとえ夕焼けだとしても、それが終わりを意味するわけではない。人は、夕焼けの光を浴びながら、その先に訪れるであろう夜の暗闇のことを考えたりはしないだろう。ただただその光の美しさに酔いしれ、恍惚とするのである。そしてその恍惚から、未来に向けた新たな情動が生み出されるのだ。その不思議な力を持つ情動は、このアルバムのタイトルにある"genesis"という言葉と結びつくのだろう。
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2007年01月21日

Live! - The Baker Brothers vs. The New Mastersounds

ファンクジャズというかジャズロックというか、アメリカ黒人音楽の様々なカテゴリーの境界を行き来しながら鳴るサウンドに心惹かれ、ベイカー・ブラザーズとニュー・マスターサウンズのライヴ・アルバムを購入し、聴き比べた。これも数ヶ月前、去年の11月頃のことだと思う。

BB_vs_NMS.JPG

The Baker Brothers / 『in with the out-crowd』 (left)

the new master sound / 『live at la cova』 (right)

どちらのアルバムもなかなよい。でも正直、彼らのサウンドから、謳い文句にあるような「怒涛のファンク」みたいなエネルギーを感じとることはできなかった。もっとおとなしくて整えられたサウンドだと思う。確かにファンクっぽいビートが刻まれたりはしているけれど、ファンクに必要な「アレ」が欠落しているというかなんというか。ということもあって、この2枚のアルバムを聴いた後に無性にJBが聴きたくなり、CDラックを掘り起こして『LOVE POWER PEACE...』(過去記事)を聴き直してみたのだった。それで、"funk"ってこれだよなあ、と思った。

でも、ベイカー・ブラザーズのサウンドには男気みたいなものがあって、かなりロック的で、それでいてポップで、そしてきっといいヤツらに違いない、と思える何かがサウンドの中にみなぎっていたりするので好感が持てる。しかしながら、このアルバムは音のヌケがいまひとつで、ステージがやや遠くに感じられてしまう。それが残念だった。

一方のニュー・マスターサウンズは、テクニックがあってサウンドに安定感があり、引き出しも多いので、心地よくビートに身をゆだねることができる。ベイカー・ブラザーズよりもジャズ寄りの音を出す。というか、やっぱりブルースの色が強い。ブルージーなのでファンクの色が薄くなるのはいたしかたないことなのだろう。"funk"という言葉に拘り過ぎなければ、こちらの方がアルバムとしての完成度は高いと思う。

*****

今日、この2枚を交互に聴いていたら、ふとIan Duryのことを思い出して、無性に聴きたくなってしまった。CDはどのあたりにあっただろうか。
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2007年01月02日

LOVE POWER PEACE - JB'S GONE!

James Brown
『LOVE POWER PEACE - Live At The Olympia, Paris, 1971』


love_power_peace.jpg冒頭、MCの雄叫びとともに2度も繰り返されるド派手なファンファーレ。しかし、それでもまだ御大はステージに姿をあらわさない。うねるブーツィー・コリンズのベース。刻まれるファンキー・ビート。MCはそのリズムにあわせながら、さらにオーディエンスを煽り立てる。騒ぐパリジャン、パリジェンヌをじらしにじらしながら、ファンク界のゴッドファーザーはステージのそでからゆっくりと姿をあらわし、突如として叫ぶ。

"The brother got the rap!"
"The brother got the rap!"
"The brother got the rap!"

JB'Sは、オープニング・チューンであるこの「BROTHER RAPP」からロケットスタートを切り、会場を一気に爆発させる。そしてほぼノンストップでラストの「GET UP, GET INTO IT, GET INVOLED」まで疾走するのだ。メイシオ・パーカーは不在ながら(たぶんクビになっていたのだろう)、フレッド・ウェズリーがホーン・セクションを引き締め、ブーツィーがうねり、ツインドラムがハイテンションなグルーヴをしっかりと支え続ける。「SEX MACHINE」、「SUPER BAD」、「SOUL POWER」などの名曲が並ぶトラックリストをみるまでもなく、ジェームス・ブラウンとJB'Sがこの時期にキャリアのピークを迎えていたのは間違いない。MCとJBのくどいやりとりも含めて、文句なしのライヴ・パフォーマンスを堪能することができる。

*****

昨年12月25日(月)、JBことジェームス・ブラウンが心不全により死去。享年73歳。無性にJBが聴きたくなり、CDラックからこのアルバムを掘り出したのはその数日前だった。彼の死後、東京には季節はずれの嵐が来て、翌日には気温が20度を超えた。春のような青空を見上げながら、天に昇ったのであろうJBのことを想った。
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2006年10月28日

HUNDRED MILLION LOVE YEARS

KAITO / 『Hundred Million Love Years』

love_years00.jpg久しぶりのHIROSHI WATANABE。3月にリリースされた『Hundred Million Light Years』(過去記事)のビートレス・ヴァージョン。

HIROSHI WATANABEの魅力は、繊細に編まれた音とビートの絶妙なコンビネーションにあるのだと思う。だから、既にリリースされているアルバムのビートレス・ヴァージョンだというこのニュー・アルバムのサウンドに、正直ちょっと不安を覚えたりもしたのだけど、そんな心配は無用だった。ビートという柱が取り払われても、紡がれるサウンドの全体像は崩れることなく、さらに細やかな音がつけ加えられていることもあって、流動するエネルギーが軽やかにふわふわと浮遊しているように感じられる、新たな作品として楽しむことができた。

これからは、『… Light Years』と本作のどちらを聴くか、その時の気分に応じて選ぶことができる。とくにこの作品は、仕事を終えて帰宅した後、夜、部屋で聴くのに適していると思う。この浮遊感あふれるサウンドに身をまかせていると、日中の記憶が意識の中で溶け、無心に近づくことができる。どこかしらこの世の向こう側を感じさせるサウンドである。
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2006年10月14日

ROUGHNECK LIVE IN PARIS

EDDIE ROBERTS / 『ROUGHNECK LIVE IN PARIS』

roughneck_live_in_paris00.jpgNew Mastersoundsのリーダーであるエディ・ロバーツのソロプロジェクト、"ROUGHNECK"のライブ・アルバム。2005年10月のパリ、舞台はモンマルトルのジャズクラブ、"Le Triptyque"。

ファースト・トラック、"Eazin' Down"の冒頭からいきなり琴線に触れる。この粋なピッキング、ブルージーなフレーズがたまらなくいい。反復されるゆるやかなファンクのリズムにのって鳴り続けるブルースに、この好き者め、とニヤリとさせられてしまう。その後も怒涛のファンクに突入するわけではなく、軽やかにスウィングしてみせたり、ラテンのリズムにウインクしたりしながら、奏でるサウンドをあくまでもブルースの世界にとどめ続けている。その真摯な姿勢に、ファンク野郎が抱えるブルースへの愛情、敬意を強く感じる。とても好感度の高いアルバムである。

先日のBAKER BROTHERS(過去記事)といい、ファンク・ジャズというか、ファンク・ロックみたいなところで鳴っているサウンドがとても面白い。これは決して新しいスタイル、アプローチというわけではないけれど、何故だかとても新鮮に響く。こいつらの音をもう少し追いかけてみたくなった。
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2006年09月24日

FROM THE VAULT

Carl Craig / 『FROM THE VAULT: PLANET E CLASSICS COLLECTION VOL.1』

from_the_vault03.jpgデトロイト・テクノ界のビッグネーム、カール・クレイグのベストCD。テクノを主軸としながらもその枠にとどまることなく、69、TRES DEMENTED、INNERZONE ORCHESTRAなどの別名義を使い分け、ハウスやジャズ、アフロ、ラテンなど、様々なジャンルを横断しながら独自のサウンドを紡ぎだしている。

リズムを組み立てるセンスが渋く、ツボを押さえていて、1stトラックのオープニングからセンスのよさに痺れてしまう。それほど派手さはないのだけど、ディテールの妙味というか、細やかなテクニックが際立っていて、安心してそのサウンドに身をゆだねることができる。ただ、部屋で聴くのもいいけれど、やっぱりフロアの大音量かヘッドフォンの爆音で聴く方がより楽しめそうな気がする。
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2006年08月13日

BRISTOL BY MOONLIGHT

bristol_by_moonlight.jpgFLYNN&FLORA / 『BRISTOL BY MOONLIGHT』

ブリストル・サウンドというとMASSIVE ATTACKくらいしか連想できなかったのだけど、このFLYNN & FLORAは、”ブリストル・ジャングル”というサウンド・スタイルの黎明期から、そのシーンの中心で活躍を続けているユニットであるらしい。

本作も、ジャングルとドラムンベースがオーソドックスに組み合わされたサウンドに仕上げられている。港湾と重工業の街らしい硬派の音でありながら、MASSIVE ATTACKのような陰鬱さは感じらず、ドラムというより金属音に近いスネアやハイハットの音が荒々しく響いており、脳を嬲る。ヌケのいい、飽きのこなさそうなサウンドである。
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2006年07月20日

BAKERS DOZEN

bakers_dozen01.jpgBAKER BROTHERS / 『BAKERS DOZEN』

ファンク・ジャズというか、ファンク・ロックというか、そのどちらでもあり、どれでもないような、カテゴライズがちょっと難しい場所で鳴っているサウンドである。でも、そんな細かいことはどうでもいい、といわんばかりの、抜けのいいリズムがツボにはまる。もうシンコペ踏みまくりで、その上をベースがぐりぐりとうねる。スネアやオルガンの音はしばしば割れ気味になるが、それでもお構いなしに疾走する。繊細さはきっとあるのだが、緻密さは感じられない、というか、それを放棄した、ぐちゃぐちゃあっ、というノリが、ナマ音ならではの魅力をほとばしらせている。かと思うと、意外にキャッチーなヴォーカル・トラックもあったりして、JB'S周辺のレア・グルーヴ好きから、10年ちょっと前くらいのアシッド・ジャズ好きまで、まとめて面倒みてくれそうな1枚である。きっと、かなりいいヤツらなんだと思う。
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2006年07月18日

MKL Presents Suits & Dashikis

suits&dashikis.jpg『MKL Presents Suits & Dashikis』/ compiled by MKL

3 Generations Walkingの一員であるMKLがコンパイルした、彼自身の楽曲や手掛けたリミックスを収めた作品集。

レゲエ、ダブやカリビアンなどを溶け込ませたディープ・ハウスに、アフリカ調のスパイスを加えて仕上げたような、いかにも夏向きの心地よいサウンドである。ディープ・ハウスといっても、それほど"deep"というわけではなくて、軽いヴォーカル・トラックもあったり、モダンとアフリカの融合のさせ方がやや安直だったりと、どちらかというとBGM向きの、さっぱりとしたアルバムに仕上がっている。きっとそのへんのしゃれたショップで流されるに違いない(といっても悪い意味ではなくて)。

猛暑で夏バテ気味の人にもやさしく響く音だから、この夏、多くの人に受け入れられるんじゃないだろうか。ぼくはラスト・トラックの"Midnight Bustling (Francois Kevorkian Bub)"に惹かれて購入した。とくに悔いは無い。
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2006年07月01日

「Frequencies」compiled and mixed by Francois Kevorkian

『deep space NYC VOL.1』(過去記事)以来となる、Francois K.のMixCD(2枚組)。信頼するFrancois K.であるがゆえに、試聴なしで購入。

frequencies.jpgぼくは細分化されたクラブ・ミュージックのカテゴリーのことはよく判らないのだけど、Francois K.はどちらかというと、ハウスの人なのだと認識している。でも、このMixCDでは、Jeff Mills、Carl Craig、Joris Voornから身内のBeat Pharmacy、そしてFrancois K.自身のTrackまで、テクノとハウスの境界を縦横無尽に超えながら、タイトルとは裏腹に、Francois K.独自の音世界が紡ぎだされている。

この音職人の技は確かである。快楽のツボを押さえるのがとてもうまい。かなり気持ちのいい音をつくってくれるし、どのアルバムもレベルが高いので、新譜は試聴なしで買うことにしている。けれど、このMixCDは、彼の作品群の中でも中位の出来ということになるのかもしれない。というのも、CD-1がちょっと抑え過ぎではないかという気がするのだ。2時間半以上の時間をかけて、少しずつ上り詰めていくという構成になっているのだけど、ぼくとしては、もう少し起伏のある構成の方がさらに気持ちよくなることが出来たと思う。しかしながら、いったんCD-2まで聴き終わって、再びCD-1に戻って聴き返してみると、初回より味わい深く聴こえてしまうので、このあたりの評価は聴きこんでみないとなんともいえない。

とかなんとかいってみても、たぶん、これから何度も繰り返し聴くことになるだろう。この夏、必聴の一枚であることは間違いない。
posted by Ken-U at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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