ファンクジャズというかジャズロックというか、アメリカ黒人音楽の様々なカテゴリーの境界を行き来しながら鳴るサウンドに心惹かれ、ベイカー・ブラザーズとニュー・マスターサウンズのライヴ・アルバムを購入し、聴き比べた。これも数ヶ月前、去年の11月頃のことだと思う。

The Baker Brothers / 『in with the out-crowd』 (left)
the new master sound / 『live at la cova』 (right)
どちらのアルバムもなかなよい。でも正直、彼らのサウンドから、謳い文句にあるような「怒涛のファンク」みたいなエネルギーを感じとることはできなかった。もっとおとなしくて整えられたサウンドだと思う。確かにファンクっぽいビートが刻まれたりはしているけれど、ファンクに必要な「アレ」が欠落しているというかなんというか。ということもあって、この2枚のアルバムを聴いた後に無性にJBが聴きたくなり、CDラックを掘り起こして『LOVE POWER PEACE...』(
過去記事)を聴き直してみたのだった。それで、"funk"ってこれだよなあ、と思った。
でも、ベイカー・ブラザーズのサウンドには男気みたいなものがあって、かなりロック的で、それでいてポップで、そしてきっといいヤツらに違いない、と思える何かがサウンドの中にみなぎっていたりするので好感が持てる。しかしながら、このアルバムは音のヌケがいまひとつで、ステージがやや遠くに感じられてしまう。それが残念だった。
一方のニュー・マスターサウンズは、テクニックがあってサウンドに安定感があり、引き出しも多いので、心地よくビートに身をゆだねることができる。ベイカー・ブラザーズよりもジャズ寄りの音を出す。というか、やっぱりブルースの色が強い。ブルージーなのでファンクの色が薄くなるのはいたしかたないことなのだろう。"funk"という言葉に拘り過ぎなければ、こちらの方がアルバムとしての完成度は高いと思う。
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今日、この2枚を交互に聴いていたら、ふとIan Duryのことを思い出して、無性に聴きたくなってしまった。CDはどのあたりにあっただろうか。
posted by Ken-U at 23:15|
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